解説:
2:先天性股関節脱臼では、股関節の開排制限が認められる。
乳児では、仰臥位を取らせると通常では両股関節は開排位を取るが、先天性股関節脱臼が存在していると、①患側では開排制限のために内転内旋位となる。
さらに、②股関節を他動的に屈曲・外転位に動かすとクリック音が発現する。
また、③アリス徴候(仰臥位で立て膝肢位を取らせると、患側の膝が低くなる)、④大腿皮膚溝の左右非対称(大腿内側にできる皮膚溝が、患側では数が多く、深くかつ長い)、⑤寛骨臼の空虚(鼠径靭帯、縫工筋、長内転筋で構成されるスカルパ三角に大腿骨骨頭を触れない)などの特徴もみられる。
1:ペルテス病、3:大腿骨頭すべり症、4:大腿骨頭壊死症の他の3つの選択肢においては、いずれも二次性変形性股関節症が先行することが共通する特徴となる。