次の文で示すストレッチングで伸長される筋として最も適切なのはどれか（２９回）

解説：

股関節と膝関節屈曲で膝を対側の胸に近づけるのは股関節の内転・内旋である。筋の作用、つまり収縮した時の動きと反対の動作をさせると筋は伸張される。ここでは屈曲・内転・内旋の動きであるので、伸展・外転・外旋作用を持つ筋が伸張されることになる。

• 1：大腿筋膜張筋は、股関節屈曲と同時に股関節を内旋する作用を持つので、設問の動きではストレッチとはならない。
• 2：梨状筋は、股関節伸展位、または屈曲角度が小さい時は股関節を外旋させるが、股関節屈曲位では内旋となる。この設問は屈曲位とあるので内旋でありストレッチとはならない。
• 3：中殿筋は、股関節伸展位では前部線維・中部線維は股関節内旋、後部線維は股関節外旋作用を持ち、股関節屈曲位では全体が股関節内旋に作用する。よって設問の動きではストレッチとはならない。
• 4：大殿筋は、上部線維は股関節外転、下部線維は股関節内転に働く。股関節伸展位で外旋作用をもち、股関節屈曲位では上部線維は内旋作用となるが、大殿筋の付着部は広く、大部分は外旋作用のままである。何より、大殿筋は股関節伸展の強い作用をもつ筋であり、設問の股関節屈曲・内転・内旋によって大きく伸張される。よって4が正解となる。