次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか（２９回）

解説：

症例から脾肺気虚が考えられる。

• 脾は後天の精を主り、水穀の精、気血を運化昇清して肺を滋養する。
• 肺は宣発と粛降作用で脾の運化作用を補助する。

このように両者が助け合い、バランスを取る。

「脾の運化作用」が十分に働かないと、穀気が肺へ届かずに肺の機能が低下し、症状として咳嗽が出る。

1. 「肺の宣発・粛降」が十分に働かないと「脾の運化も失調」して食欲不振となる。
2. 「脾の運化が失調」すると消化吸収力が低下し水分が停滞して痰湿となり、脾虚湿盛で膩苔や滑脈がみられる。また運化が失調することで淡湿阻肺となり、痰湿が肺に留まり、また肺の失調で津液の輸布ができなくなり停留する。
3. 強い咳嗽、多痰で、舌質淡紅、苔白膩、脈滑となる。

選択肢で該当するのは「4：運化を高める」である。