次の文で示す症例に対して灸治療を行う場合に最も適切な経穴はどれか（２９回）

解説：

• 1：「足の太陰脾経」の三陰交
• 2：「足の陽明胃経」の豊隆
• 3：「足の少陽胆経」の光明
• 4：「足の厥陰肝経」の蠡溝

六部定位脈診の配当で左関上は肝であり、浮数から熱証、滑は痰湿が考えられる。

また症状のある膝内側から大腿部内側、陰部は肝経の流注であり、掻痒感は熱と考えられる。蠡溝は絡穴であり、慢性症状に用いる。

ひきつれ感は昨日からということで急性にみえるが、この症状が出る前に肝気の滞りがあったと考えられる。

肝気鬱滞が進行して化火し､肝火上炎となり、経に沿って上逆する。

飲酒や喫煙の過度、辛いものの摂取過度も原因となる。

この症例では4日前に深酒をしたとあり､それが引き金となり化火し、大腿内側に沿って上逆していると考えられる。

また、脈浮から肺である胆の影響も出ていると解釈できる。肝火上炎が胆火に波及し、内湿が加わると肝胆湿熱となる。

経穴は肝経を選択する。