解説:
相反性Ia抑制は拮抗抑制とも呼ばれ、収縮側の主動筋と対をなし反対の作用を持つ拮抗筋が弛緩するものである。
脳血管障害後遺症の片麻痺では脳の障害部位の対側で痙性麻痺となり、上肢は屈曲、下肢は伸展位をとる。これをマン・ウェルニッケ肢位という。
上肢では肩関節・肘関節・手関節・指関節屈曲位となるため、この改善には伸筋群への刺激によって相反抑制を惹起させ屈筋群を弛緩させることが考えられる。
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上腕三頭筋の消濼、総指伸筋・小指伸筋上の外関への低周波鍼通電で伸筋群が収縮し、それらの拮抗筋である屈筋群が弛緩する。したがって、「1:消濼ー外関」が正解。
その他の選択肢は以下の通り。
- 「2:曲沢ー内関」は屈筋群なので、筋緊張への直接のアプローチとはなるが相反抑制を機序とする治療にはならない。
- 「3:承筋ー承山」、「4:豊隆ー足三里」は下腿であり、相反抑制は長脊髄反射ではないので除外される。