解説:
母指から中指にかけてしびれがあり、母指と示指で正円が作れないという症状から正中神経麻痺が考えられる。
手根管症候群の原因の一つに「妊娠時の浮腫」があり、設問と一致する。
選択肢の中で正中神経へのアプローチとなるのは「4:内関」である
正中神経麻痺は、障害がどの部位かで症状が異なる。
母指と示指で輪を作ると涙の滴のような形になるティアドロップ徴候は、母指のIP関節屈曲を行う長母指屈筋、示指のDIP関節の屈曲を行う示指深指屈筋を支配する前骨間神経の麻痺でみられる。前骨間神経正中神経の分枝で、純粋な運動枝であるので感覚障害は生じない。
※設問ではしびれの症状があるため該当しない。
問題文には「母指から中指にかけてのしびれ」とあり、これはしびれが指だけであれば手根管症候群の症状で、指はしびれるが、正中神経の手掌枝は屈筋支帯の上を通り手根管症候群では障害されないため手掌の感覚は保たれる。
また手根管症候群では正中神経麻痺による短母指屈筋、短母指外転筋、母指対立筋の麻痺と萎縮が起き、パーフェクトOの不整がみられる(ティアドロップとは形が異なる)。
※問題文にある「楕円型」はこれを指すと考えられる。
以下の記事はパーフェクトO・ティアドロップについてイラスト付きで解説しているので合わせて観覧してみてほしい。
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