解説:
1:鉄欠乏性貧血は、鉄分の過剰喪失(出血や月経過多)、吸収不足(腸管からの吸収障害)、需要増大(妊娠や成長等)などによって生じた鉄分の長期の不足により、ヘモグロビンの産生量が不足して起こる貧血であり、末梢血は小球性低色素性貧血を呈する。
2:巨赤芽球性貧血とは、ビタミンB12もしくは葉酸の欠乏によって核酸代謝に異常を生じ、赤血球の成熟が障害されて(赤芽球となり、成熟途中で壊れてしまう無効造血を起こす。その結果、貧血をきたす疾患であり、末梢血は大球性正色素性貧血を呈する。
3:溶血性貧血は、赤血球の崩壊が亢進して貧血を生じるが、一方では代償的に赤血球の造血が亢進し、網赤血球数増加に伴う大赤芽球症、骨髄赤芽球過形成がみられる貧血である。末梢血は正球性正色素性貧血を呈する。
4:再生不良性貧血は、骨髄の赤血球、白血球、血小板の形成が低下し、末梢血中のそれらの減少(汎血球減少症)がみられるものであり、原因不明の特発性と薬物や放射線などによる二次性がある。末梢血は正色ないし高色素性貧血を呈する。