解説:
骨萎縮には、老人性・廃用性・圧迫性・神経性などがみられる。老化による生理的萎縮として、身長減少や脳・心・肝・筋などが縮小するが、一旦発育した骨組織でも老人で消耗・萎縮を示すもので、骨髄もこれに伴って消耗する。骨多孔症は骨質の量的減少であり、髄腔から表面にむかう遠心性骨萎縮を示す。骨軟化症は骨質の質的変化で、慢性に経過する全身性骨系統のカルシウム脱出症である。老人にみられる骨軟化症は骨多孔症を伴うことが多く、最近、閉経以降の婦人では、脊椎とくに腰椎に高度の骨多孔症がみられることが多くなった。このような骨萎縮により骨は脆弱となり、自然骨折を来しやすい。従って、老人性骨萎縮に伴う病態発生にいろいろの荷重などが関与しているようである。