解説:
がんによる死亡例数は毎年増加しており、1981年以来、死因順位の第1位を占めている。
がんの主な部位について、男女別の年齢調整死亡率の年次推移(1955~2002)を見てみると、2002年の日本では、1:男性がん死亡率は肺がんが最も高い、は正しいが、2:女性がん死亡率が最も高い、は誤っていることが分かる。女性では肺がん死亡率が今でも最も高い。前立腺癌、乳癌の罹患率については明確な統計を見出しえない。
なお、これら癌腫の早期診断や早期治療は最近多く応用されており、また、その治療法の進歩によっても、これら癌腫の治療率は向上しているようである。
そのため癌罹患率と死亡率の乖離が強くなっているが、現在でも前立腺癌と乳癌の罹患率の推移はそれぞれの死亡率の推移でほぼ類推できると思われる。
したがって、女性の4:乳癌罹患率は増加傾向にある、といえよう。
また、男性の前立腺癌については、その死亡率の統計を提示できないが、最近の高齢化と生活様式の変動により症例は年齢が進むとともに増加しているので、3:前立腺癌罹患率は増加傾向にある、という表現も正しいといえるだろう。