解説:
水腫とは「細胞間液ないしリンパ液が細胞の内外や体腔内に異常に増加した状態」をいう。
1:血小板減少症は「血小板産生不全、血小板破壊亢進、血小板分布異常などの機序で発症するもの」で、皮膚、粘膜、時に実質臓器に出血をきたす。しかし本症では通常、水腫、浮腫はみられない。
2:低アルブミン血症では、血漿膠質浸透圧が低下し、血清成分が血管外へ漏出して細胞間液が異常に増加する。
3:うっ血性心不全では、毛細血管内圧上昇(静脈圧増加)が関与して、心拍出量減少に伴う腎血流量ないし糸球体濾過量の減少、尿細管でのNaイオンと水分の再吸収増加、さらにADHも増加して、体内水分貯留増加が生じる。この際、下肢や臀部のような重力が関係する部位で目立つ浮腫がみられる。
4:ネフローゼ症候群は、高度の蛋白尿と低蛋白血症、高脂血症、浮腫を特徴とする。浮腫は組織圧の低い眼瞼から始まって顔面さらに全身へと広がる。この浮腫は、糸球体、尿細管の障害によるNaの過剰貯留や多量の蛋白喪失にもとづく低蛋白血症がもたらす膠質浸透圧低下などで起こる。