解説:
病気になる原因を病因と呼び、健康な生体を疾病レベルまでにする過程にみられるもので、外因と内因に分けられ、両者の函数で発病する。
内因は生体内にあるもので、病気にかかりやすい準備状態を指し、素因ともいう。
素因には、年齢・性・種属・器官などによる生物一般にみられる一般的素因と、個人にみられる形質(からだつき)・機質(はたらき)・気質(きだて)などいわゆる体質として総括される個人的素因が包括される。
1:遺伝的素因は内因の最も基礎となるもので、遺伝を基盤として神経・内分泌・免疫や精神活動によりつくられる個人の特徴、すなわち体質の異常が病因の1つとなる。
外因は、体外から直接に、あるいは体の外から内へ侵入してから、生体に障害性に働く場合をいう。
2:社会環境には、外界の環境条件からのものと対人関係を含む広い意味での生物学的外因も含まれている。
3:感染微生物としてはウイルス、細菌、原虫などがあり、4:栄養物質としてはタンパク質、ビタミンなどがあり、いずれも外因に属する。