解説:
1:粥状動脈硬化症は、血漿が大型から中型の動脈壁の内膜に浸淫することに始まり、浸淫部位で血漿中の低比重リポ蛋白が大食細胞や平滑筋細胞に取り込まれて泡沫細胞となって沈着したり、また蛋白も細胞間に貯留する。
ついで内膜の壊死を伴って粥腫(アテローム)を形成する。
それに伴って結合織も増生し、時に石灰化も伴う。
このような動脈硬化症発生のリスク因子の1つとして最も重視されているのは、現在は脂質代謝異常として、血漿リポ蛋白の中でも低比重リポ蛋白高値と超低比重リポ蛋白低値の病態である。
2:糖尿病は、多様な成因からなる高血糖を主徴とする症候群である。
糖代謝のみならず他の代謝の異常も来すが、インスリン不足によりあらゆる代謝に障害を招来したものとしてとらえられ、脂質代謝異常に起因するものではない。
3:アミロイドーシスとは、アミロイドとなる蛋白が体内で分解排除されないで細胞間で重合ないし凝集してアミロイド蛋白線維となって沈着した病態である。
4:痛風とは、高尿酸血症が持続し、尿酸塩結晶が関節部や皮下組織・腎に析出し、急性関節炎で激痛を訴えたり、腎障害を招来した病態である。