解説:
先天性異常とは、受精から胎生期にかけて何らかの因子が関与した結果で生じた形態的および機能的異常のすべてをいうが、その異常の発現については、出生時に既に異常が存在していようが、出生後に始めて見いだされようが構わない。
先天性異常の1つのカテゴリーである染色体異常には、常染色体のものと性染色体のものがあり、かつそれぞれに数的異常と形態的異常とがある。
1:ダウン症候群の大部分は21番の常染色体が1本多くなったトリソミー21によって発症し、残りは過剰な21番染色体がD群やG群の常染色体と転座を起こすことで生じる。
2:アザラシ肢症は、妊娠30~50日の間に催眠鎮静剤としてサリドマイドを服用した母親から生まれてきた児の約25%に招来された、四肢低形成の奇形であり、染色体異常症ではない。
3:クラインフェルター症候群は、X染色体が1本多い異常男児にみられ、その典型例の核型は47、XXYで表現されるが、モザイクの症例も多い。
4:ターナー症候群は性染色体モノソミーの女児にみられ、その代表的な核型は45、XOで表現される。