「今まで学んできた知識や技術を統合してアウトプットするフェーズ」という位置づけで、整形外科クリニックでのアルバイトを開始しました。
目次
きっかけは、求人サイトからのオファー
そもそも、整形外科クリニックで働く予定はなかったのですが、現在働いている訪リハに応募するために求人サイトへ登録しており、そのまま放置している状態でした。
そこへ今回、整形外科クリニックから僕宛にオファーが来て、実際に見学・面接を受けて、働いてみようと思った次第です。
※今までもオファーは何度も来ていましたが、勤務日数や時間帯・やりたいリハ内容かどうか・時給などで折り合いがつかずスルーしていました。
10月下旬から勤務スタート!!
先月より週2回ペースで開始しており、ようやく仕事内容に慣れてきましたという感じです。
クリニックでは、どちらかというと「今まで習得した徒手理学療法の検証の場」として有効に活用させてもらっているという感じです。
いよいよ「東京でのスキルアップ」も最終フェーズに突入しました!!
整形外科クリニックの特徴
僕は学校へ入学するまで理学療法療法士として一般病院で「入院・外来・デイケア・訪リハを兼務する」という働き方をずっとしてきました。
従って、「整形外科クリニックで働いたこと」は一度もありませんでした。
でもって実際に働いてみて感じた「整形外科クリニックの特徴」は以下になります。
- 患者の回転率がメチャクチャ高い
- 年齢層が若い
患者の回転率がメチャクチャ高い
整形外科クリニックの特徴は、何といっても患者の回転率の速さでしょうか。。
予約制なので、一人の患者で受け持ち時間が少しでもオーバーすると、それが積み重なって、かなり時間が押してしまいます。
※勤務先に行くとリハビリ予約リストを助手さんに渡されるのですが、毎回予約が20分刻みでぎっちり埋まっています。
最初のころは、カルテ入力にメチャクチャ苦労しました。
っというのも、全員が初めてお会いする方々なので、(9人リハ終了して、1人目のカルテを記入しようとした際に)どんな臨床推論を展開してリハビリを提供したか、どんなセルフエクササイズを指導したかなどなど、9人分の情報がゴチャゴチャになりかけてしまうことが多かったので。。
なので、問診時やちょっとした隙間時間にメモの殴り書きを駆使しながら、何とか難を乗り切りました。。
慣れてくると、クリニックでのリハビリは、以下などのアウトプットに最適な環境だと感じるようになりました。
- いかに素早く、必要最小限の理学的評価・臨床推論が展開できるか
- 既にアプローチの引き出しはたくさん持っているので、どれが最適解なのか、どんどん検証して、経験値として蓄積できる。
- (結果が出せたり、治癒までの経緯に納得してもらえれば、ちゃんと予約通りに来てくれるので)セルフエクササイズの効果も含めて、症状の経時的な変化をモニタリングできる。
新患オーダーが随時入ってくるので、ある程度改善の道筋がついたら「とりあえず終了。また症状が再発したり、リハビリでチェックしてほしいor疑問点があったら再開」という感じで、どんどん新患の相手をする感じです。
上記は、訪問リハビリとは違った学びがあるので、非常に新鮮で、刺激的です。
年齢層が若い
整形外科クリニックで感じた、その他の印象として「若い人が多い」というのが挙げられます。
まぁ、そもそも「歩いてクリニックに通ってこれるだけの能力がある」という時点で、メチャクチャ高齢な方は少ないと予想していましたが。
ただ、ここ最近は「医療保険と介護保険のすみわけ」というのが言われていて、基本的に「要介護認定を受けている人は、介護保険のサービスを優先的に使う」という仕組みになっています。
つまり「要介護認定を受けた人」がリハビリを受けたいと思った場合、「医療保険(病院・クリニック)ではなく通所リハor訪リハ(あるいはリハ付き通所介護)などの介護保険の利用」が制度上優先される」ということになっています。
※「発症後一定期間」や「特別な書類を定期的に作成する」など一部例外を除く
そんな時代の流れを反映してか、今受け持っている患者さんは50代~70代前半がメインといった感じです。
※稀に、中・高・大学生も担当したりします(手指骨折ギプス除去後ROMex指導、ACL損傷後後遺症のリハビリ、腰部位分離症の自主トレ・生活指導など)。
「80代以上で何とか歩けるレベルの高齢者」が大勢いるイメージを勝手に持っていましたが、時代は変わったなぁという印象です。
そんなおともあって、以下の点でポジティブな印象を持っています。
- 高齢者と異なりクティブなトレーニング(バランスボードなどの器具使用)に挑戦できる。
- 理解力が高いので、(量ではなく)質を重視したトレーニング(例えば「ピラティスのようなコアエクササイズ」や「複雑なPNFパターンを用いたトレーニング」など)も意図を十分理解して実践してもらえる。
- 治そうという気持ちが強いので、自主トレ・生活指導などもちゃんとしてくれる。
- 介入に対するフィードバックが的確なので、臨床推論が楽しい。
訪問リハビリも「ICFで相手の生活機能を包括的にとらえ、環境因子・個人因子も加味しながら施行するリハビリ」も大好きですが、そこには無い魅力をクリニックから感じることが出来ています。
当院の特徴
ここまで「整形外科クリニックの特徴」を記載していきましたが、ここから先は「勤め先のクリニックの特徴」を記載してみたいと思います。
ぱっと思いつく特徴は以下の通り。
- 器具が豊富
- 院長が特徴的(性格・資格)
- 時給が良い
- 良い意味で「リハビリのカラー」がない
器具が豊富
セラバンド・バランスボールは当たり前として、ホワイトテープ・キネシオテープもそろっているので、マリガンコンセプト、キネシオテープ療法など様々な挑戦が出来ます。
マリガンコンセプトの認定資格を持っていますし、以前はキネシオテーピングのCKTP・CKTIの資格も取得していたので、これらのテーピングもどんどんアウトプットしていけそうです。
また、ベッドは(手動ではありますが)昇降式なので、徒手療法・運動療法をセラピストが施したいアプローチに合わせて快適にリハビリができる点も有難いです。
良い意味で「リハビリのカラー」がない
最初の面接時に、院長へ「このクリニックのカラー」を質問しました。
クリニックによっては、特定の概念を用いてアプローチする人が多かったり、徒手療法を用いる傾向が多かったり、アンチ徒手療法のカラーだったり」などなど、同じクリニックでも考え方が違ってくるので。
その結果、過渡期ということもあって、特定のカラーはなく自由にやらせてもらえる風潮の様でした。
ただ、実際には「○○という動作をしたら○○という症状が出るから、それを何とかしてほしい」というものが比較的多いです。
従って「従来の理学療法」を中心に治療を組み立てていくことが多く、学校で学んでいる内容はリラクゼーションサロンほど活用できてはいませんが。。
学校に入学してから忘れかけていた理学療法知識・技術の自由に気兼ねなくアウトプット・ブラッシュアップという意味では、良い環境だと感じます。
「トップの常勤の先生」の印象
「リハ科トップの常勤理学療法士」は、50代前半くらいの貫禄のある人でした。
理学療法内容を見ていると「偏りのないバランス型・ジェネラリスト型」なタイプという印象です。
クリニックは、どちらかというと若い人が多いイメージが勝手にあったので。
ただ「私が入職した日が、その先生の退職日」ということで、たった1度しかお会いできていません。
その1度で、リハの流れ・予約方法・電子カルテの扱い方・超音波設定などなど一気に教えてもらったのですが、100%把握することは困難で、以降慣れるまである程度時間がかかりました。
「クリニックで務めたことがないから、リハビリに関しても適宜アドバイスをもらいたかった」とお伝えすると、
「いや横目で見ていたけど、普通に大丈夫だと思うよ。僕が見ててもヘェ、そんなやり方もあるんだ」ていうのが沢山あったし。結構研修会とか参加しているの?」と言われたので、
認定理学療法士である点など、今まで学んできたことを話して、徒手理学療法やPNFについて色々と話が盛り上がりました。
僕も横目で見ていて「自分とは異なった介入方法をしている」と感じる介入方法が多々あり、非常に刺激を受けたので、もう少し一緒に働きたかったです。。。
院長が特徴的(性格・資格)
経歴から言うと60代前半くらいなのでしょうが、若く精力的な印象を受ける院長先生です。
また、多くの専門医・認定医資格も有しており、自己研鑽にも余念がない印象。
一方で、物腰が柔らかく、私に対しても「先生、今日もよろしくお願いしますね」「遅くまでカルテ記入ご苦労様です。ちゃんと残業代付けますからね!」などフランクに接してくれる良い先生です。
時給が良い
当初は相場は2000円と言われていたのですが、面接時に交渉して、時給2500円になりました。
他のスタッフに比べても多い額だそうで、他の整形外科クリニックの相場よりも高いほうだと思います。
認定理学療法士・認定マリガン・認定マッケンジーを取得していることに比べて、学校でマッサージを学びつつリラクゼーションサロン経験もあることが、期待値を挙げてもらえたようです。
特に認定理学療法士という点は評価してもらえたようで、+αとしてマッケンジーは整形外科医の間でも「エビデンスレベルの高い系統的分類・運動法」としてアンテナを高く張っている医師からは認知されている概念なのでプラスポイントとなったようです。
また、勤務時間内の時間枠が20分刻みの予約でびっしり埋まっているので、午後診療スタート前に情報収集など事前準備が必要なのですが、早めにそういう事前準備をする時間も(タイムカードを参考に)申請したら残業代としてカウントしてくれるそうで有難いです。
※勤務時間内にびっしり予約が埋まっているので、3時間+α(計9人)働いた後全員分のカルテを書き始めるのですが、その分の残業代ももちろん付けてくださいます!
終わりに:学生生活の集大成!最終フェーズに突入します
学校へ入学してからというもの、なるべく「今まで学んだことは忘れて、初心に戻ったつもりで、まっさらな気持ちで、この業界のことを受け入れよう」という気持ちで学んできました。
学校の先生からも「この学校にいる間くらいは、この学校のことだけを考えて、ドップリとこのコンセプトに浸って修行してほしい」とのアドバイスを頂き、特に1年時は、その様に励んできました(余計な知識・技術・経験は、むしろ新しいことを学ぶ際の邪魔になることもある)。
また、1年の中盤からは、学校で学んだことを(整体+あん摩マッサージ指圧)を実践的に活用するためリラクゼーションサロンにも勤め始めました。
2年になってからは、整体・あん摩マッサージ指圧と理学療法の融合も考えるようになりました。
例えば、訪問リハビリなどで、運動療法も含めて、どの様に融合していくかという考えです。
そして今回、理学療法士のアイデンティティを取り戻すべく、整形外科での勤務を開始しました。
そして、臨床推論に基づき、試験的治療を織り交ぜながら、適切な場面で「あくまで一つのツールとして(東京で学んだことを)選択する」という感じで活用できていると感じます。
東京での学びは、どのバイト先でも活かされている!!
現在「リラクゼーションサロン」・「訪問リハビリ」・「整形外科クリニック」でアルバイトをしていますが、どれも整体・あん摩マッサージ指圧スキルが強力なツールとして威力を発揮してくれます。
ただ、使い方を各アルバイト先で若干アレンジしながら使う必要がある。
こういう試行錯誤・応用的な考えを体感しながらスキルアップできる環境を学生時代にもてるというのは、恵まれていることだと思いますし、非常に有難いことだと感じます。
卒業までに、自身の知識・技術を統合していく!
1年目は、理学療法という範疇を超えて、東京で(学校の授業も含めて)多くのことを学ぶとともに、そのアウトプットの場としてリラクゼーションサロンを選びました。
また、最近では他者の施術をお金を払って体験することで、自身の学びへとつなげるようにしています。
そして今回、整形外科クリニック・訪問リハビリを通して、今まで僕が学んできたものを統合する「アウトプットメインな最終フェーズ」に突入したと感じています。
これにより、現在のアルバイトスケジュールは以下の通り。
- 月:整形リハ(15時~19時)
- 火:訪リハ (13時~18時15分)
- 水:整形リハ(15時~19時)
- 木:訪リハ (13時~17時)
- 金:何もなし
- 土:リラクゼーションサロン(18時~22時30分or23時30分)
どこまで上記のスケジュールを続けれるかは不明です。
ただ、来年の夏・秋くらいまでは続けてみたいと思っています。