解説:
1:ファロー四徴症ではチアノーゼが生じる。
チアノーゼとは、末梢血の還元ヘモグロビンの増加により皮膚・粘膜が暗紫赤色を呈する状態をいう。
その原因には、①肺での酸素摂取障害、②動脈血への静脈血の混入、③末梢毛細血管のうっ血、④異常ヘモグロビンの増加などがある。ファロー四徴症とは、①肺動脈狭窄、②心室中隔欠損、③大動脈の右方偏位・心室中隔騎乗、④右心室肥大の4つの特徴を持った先天性の心臓奇形をいい、心臓内で静脈血が動脈血に流れ込むためチアノーゼが生じる。
2:心房中隔欠損症では、心房中隔の欠損孔により左房から右房に血液の流入が生じる。
また、3:心室中隔欠損症では心室中隔の欠損孔により左室から右室に血液の流入が生じる。両者とも動脈血が静脈血に流れ込むためチアノーゼは生じない。
4:大動脈縮窄症では、大動脈弁口が狭くなって左室から大動脈への血液拍出が障害され、左心不全による肺うっ血が生じるが、チアノーゼはみられない。