解説:
肉芽踵は、慢性増殖性炎にしばしばみられる結節性病変で、組織球、マクロファージ、類上皮細胞、多核巨細胞などの増生・出現がみられることが特徴で、それにいろいろな程度にリンパ球浸潤と線維化を伴っているものである。
1:真菌感染によって惹起される障害には、真菌中毒、真菌アレルギーもあるが、最もよくみられるものは真菌症であろう。これは真菌に対する宿主側の防衛力との関係でさまざまに変化し、日和見感染として最近増えているが、肉芽腫を形成するものもある。
2:サルコイドーシスの原因は不明であるが、細胞性免疫異常が関与しているようで、乾酪変性を伴わない、小型で融合も少ない肉芽腫をつくり、それには類上皮細胞が主で、少数のラングハンス巨細胞が混在し、周囲にリンパ球、マクロファージ、線維芽細胞の反応性増生を認める。
3:ハンセン病はレプラ菌感染による慢性疾患で、肉芽腫を形成する。その特徴から癩腫性癩、類結核癩、中間型または非定型癩の3型に分けられる。
4:肝硬変は、肝の小葉改築を伴う肝実質の結節性再生と結合織の増生が肝全体にびまん性に起きた病変である。これには通常肉芽腫形成はない。