解答:3
- 1.カリニ肺炎
- 2.食道カンジダ症
- 3.B型肝炎
- 4.サイトメガロウイルス感染症
解説:
日和見感染症とは、健康人であれば普通感染しないような弱病原性微生物に感染して発症することである。日和見感染症が成立するには宿主の抵抗力(免疫能)が関連し、がん末期、エイズ、糖尿病、再生不良性貧血、大熱傷などのほか、免疫抑制剤使用患者や白血球(特にTリンパ球)機能低下を来した場合にみられる。ヒトでは最初は抗生物質投与で淘汰された結果として、それら薬剤の効きにくい種類の細菌、例えば緑膿菌感染などが目立つが、免疫能低下がさらに進むとカンジダなどの真菌、サイトメガロウイルスなどのウイルス、ニューモシステイス・カリニなどの原虫が感染して発症するようになる。
1:カリニ肺炎はニューモシステイス・カリニ(人工培養がいまだにできず、真菌説も否定できないが原虫説が有力)によって惹起される肺炎である。これは灰白色で硬くて割面が粘調な肺病変で、組織学的には肺胞内に好酸性泡沫状~点状の物質が充満しているが、それがこの嚢胞虫の集籏である。光顕的にグロコット染色でその被包が黒色に染め出される。
2:食道カンジダ症は深在性真菌症の1つで、病巣に真菌を見いだす。
3:B型肝炎は、血液を介すると考えられる非経口感染によって発病するが、出生時や幼少期の感染後にキャリア(そのウイルスに持続感染しているヒトのことで、臨床症状を示さないこともある)となることが多く、ついでそれから慢性肝炎に移行する。どの肝炎ウイルスもすべて肝細胞に感染するが、ウイルス自体には細胞傷害作用はない。このウイルスを抗原と認識した宿主の細胞傷害性T細胞による免疫反応の結果、肝細胞が壊死に陥ることで肝炎という病変が惹起される。従って、B型肝炎には日和見感染はありえないだろう。
4:サイトメガロウイルス感染症は、日和見感染としてよくみられるもので、核内封入体がこのウイルスに感染された細胞にみられる特徴がある。