解説:
鉛管現象とは、他動運動に対して最初から最後まで同じ抵抗を示す状態をいい、鉛の管を曲げているような感触から名付けられた。
3:大脳基底核などの錐体外路の障害で発現する。
一方、1:錐体路の障害では他動連動に対して最初は抵抗が強く、その後急に抵抗がなくなる状態がみられ、折りたたみナイフ現象と呼ばれる。これらはいずれも筋トーヌス(生理的な筋緊張)の亢進によって生じる。
2:脊髄後索の障害では脊髄性運動失調が出現し、踵打ち歩行(歩幅が大きく足元を見つめ、踵を地面に叩きつけて歩く)に代表されるように、麻痺や不随意運動がないにもかかわらず円滑な運動制御ができなくなる。
4:小脳の障害では、麻痺を伴わない筋トーヌスの低下が生じる結果、振り子様運動(四肢を他動的に揺さぶるとプランプランする状態)がみられる。