解説:
結核、梅毒およびハンセン病は、結核菌、梅毒スピロヘータ、癩菌(らいきん)、それぞれの感染症で、これらに共通することは、単球・マクロファージ系の細胞群とリンパ球とくにCD4陽性T細胞の強い浸潤・増殖であり、また、これら病原体はすべて遅延型アレルギー反応(Ⅳ型アレルギー)を惹起しうる抗原をもっていることである。それで、これら病変にはⅣ型アレルギーが関与する炎症病変として肉芽腫形成がみられる。それぞれ、結核結節、ゴム腫、癩腫ないし類結核結節と呼ばれているが、その肉芽腫成立にはいろいろの増殖因子を始めとする炎症媒介因子が関係している。それに対して淋病という性病は、淋菌感染による化膿性炎が主病変で、肉芽腫は形成しない。