東洋医学臨床論(2:鍼灸版)(全542問)
罹患筋への治療穴として天泉を用いる疾患 で、陽性となる可能性が最も高い理学検査はどれか(28回)
解答:1
- 1.スピードテスト
- 2.ペインフルアークサイン
- 3.フローマン徴候
- 4.ティアドロップ徴候
解説:
天泉は上腕二頭筋長頭・短頭の筋溝に取る。
- 1:スピードテストは上腕二頭筋長頭腱炎を示唆し、前腕回外位、肘関節伸展、肘関節90°屈曲で腕を前方挙上した状態で手関節部に下方へ負荷を加えた際、上腕骨結節間溝部に疼痛が生じれば陽性とする。上腕二頭筋の抵抗運動により収縮時痛を誘発させるものである。天泉は罹患筋への治療穴として適切であり、正答は1である。
- 2:ペインフルアークサインは腱板炎・肩峰下滑液包炎示唆する。これらは肩峰下インピンジメントによるもので、肩関節を他動的に外転するとき、60~120°の間で疼痛が生じるものを陽性とする。
- 3 : フローマン徴候は母指内転筋麻痺の所見であり、尺骨神経麻痺を示唆する。
- 4 :ティアドロップ徴候は、正中神経の分枝である前骨間神経麻痺でみられる。前骨間神経は母指のIP関節、示指のDIP関節の屈曲を行うため、この2つの動きができなくなると、母指と示指の先を合わせたパーフェクトOが正円とならず、涙のしずくのような形になるためこのような名称がある。
2・3・4は天泉の部位と関係しない。