次の文で示す症例について、陽性となる可能性が最も高い理学検査はどれか（２８回）

解説：

足底の知覚鈍麻、アキレス腿反射減弱からS1の神経根症状と考えられ、坐骨神経痛が疑われる。前かがみで増悪、間欠性跛行なしから、脊柱菅狭窄症は除外して考える。

• 1：FNSテストは、陽性の場合、上位腰神経根障害障害を疑うもので、大腿前面に放散痛が生じる。
• 2：ボンネットテストはSLRの増強法でSLR陽性の場合、少し脚を下げ、股関節を内転・内旋させる。殿部や下肢後側に坐骨神経に沿って疼痛が生じれば陽性とする。SLR陽性では下位腰椎の椎間板ヘルニアが考えられ、前かがみで期悪するとの記述と一致し、正答は2である。ちなみに、K・ボンネットテストは梨状筋症候群に特化したもので、梨状筋症候群は根性坐骨神経痛ではなく、梨状筋部位での絞扼による坐骨神経痛であり、SLRが陽性性とは限らない。
• 3：ゲンスレンテストは仙腸関節の疼痛誘発テストである。
• 4：アリス徴候は背臥位で両膝を曲げたとき、膝の高さが異なる場合に股関節の異常を示唆するもので、先天性股関節脱臼でみられ、脱臼側の膝が低くなる。