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研修参加 『モニター・機器が少ない状況下における早期離床 〜フィジカルアセスメントを活かした状況判断のコツ〜』

研修会

今回、日本離床研究会が主催する以下の研修に参加してきました。

 

研修名:

モニター・機器が少ない状況下における早期離床

〜フィジカルアセスメントを活かした状況判断のコツ〜

 

 

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日本離床研究会主催セミナーに初参加!

 

日本離床研究会主催のセミナー案内は、病院によく届いていたのですが、参加したのは初めてでした。

 

でもって、普段は参加しない類の研修会でしたが、であるからこそ発見の連続で参加して良かったと思いました。

 

宣伝文句は以下の通り。

 

なにげない患者さんの症状から異変を察知できますか?

急性期の病棟と違って、あるのは体温計と血圧計、よくてSpO2モニターのみ・・・。この状況でなんだかいつもと違う・・おかしい、そう思ったときあなたなら何を評価しますか?そして、もしその患者さんに新たな疾患が見つかったとき、起こしてよいか判断できますか?この講座ではモニター・機器が不十分な状況で起こりうる急変や病状の変化に備えるための評価ポイントと知識をベテランが伝授。もしそうなったときにも、落ち着いて対処し起こしてよいかの判断ができる臨床家を育成します。当会で人気のベーシック講座に続く一般病棟・回復期・在宅向け講座、いよいよ開催です!!

 

 

具体的には『書籍:誰も教えてくれないコツがここにある! フィジカルアセスメント完全攻略Book 』をベースに、いくつかの内容(具体的には後述)をピックアップして深堀していくといった感じです。

 

講義では教本の中でも特に重要なポイントに的を絞って解説してくれます。

 

で、もう少し広く内容を把握したいと思った際は教本を参考にできるよう「教本のP○○も参照」といった具合の補足もあるなど、親切な資料だとも感じました(資料はカラー印刷)。

 

教本は(他の、日本離床研究会が出版している書籍も含めて)会場でも売っていますが、予習してから講習会に望むのも一つの手だと思います。

 

アマゾン、楽天でも簡単に手に入るので興味がある方はチェックしてみてください。

※アマゾンレビューをみると、教本自体の評価も比較的高いことが分かります。

 

 

タイムスケージュール

 

先ほど「教本を参考にしながら、とくに重要なポイントに的を絞って解説していく」と前述しましたが、「モニター・機器が少ない状況下における早期離床からフィジカルアセスメントを活かした状況判断のコツ~」のタイムスケジュール(内容)は以下でした(あくまで2018年6月時点の情報)。

 

「苦しい」のフィジカルアセスメント:

・苦しいの原因は多岐にわたるので、バイタルサインと総合的な判断を!

・離床時の苦しいの原因は「循環の要因」と「呼吸の要因」の2つを疑って!

・意識レベルの低下がある場合は迷わずDrコール

 

「意識レベル低下」のフィジカルアセスメント:

・意識レベル低下を発見させた際は、原因よりまず対処

・目・口・手から意識レベルをアセスメント

・意識レベルが悪い患者さんをいつ離床する?

 

「痛み」のフィジカルアセスメント:

・フィジカルアセスメントから判断する!重症疾患の痛みとその特徴

・血圧低下に頼らない!ショックの前駆症状と見抜き方

・何のために見ているの?頸静脈怒張の活用法

・つかみ8割!臨床での報告の極意

 

「けいれん」のフィジカルアセスメント:

・言葉の意味が違う「けいれん」と「てんかん」

・けいれん発見時は呼吸の観察が最重要

・抑えつけて止めては逆効果!正しい対処方法を紹介

 

「疲れる」のフィジカルアセスメント:

・その疲れ、器質的なもの?精神的なもの?鑑別法

・随伴症状から捉えよう!器質的疾患のみかた

・こんな疲れは無理しない!急変コールの基準集

・すべてはより良い運動補給のために!疲れの対処法

 

「めまい・失神」のフィジカルアセスメント:

・離床時のめまいの原因はまず「起立性低血圧」を疑って

・めまいがある時は、意識(めまいの性状)、血圧、その他の症状の3点をチェック

・怖いのは脳血管疾患、血管疾患、急性出血3つ、見逃さないで!

 

 

「むくみ」のフィジカルアセスメント:

・むくみはどこからきているの?生理学的機序

・危険なむくみとはチャートでスッキリ鑑別法

・錯覚しないフィジカルアセスメントのイロハ

・原因別で考えてみよう!むくみの対処法

 

 

やはり講習会に参加すると知識の定着率が違うと感じた

 

前述した教本がベースになっているため、その教本を隅から隅まで(本当の意味で)理解していれば講習会に参加する必要はないかもれませんが、私の様に「あまりなじみの無い内容の本で、読んでも右から左へ記憶が抜けてしまい、尚且つ読むのに高いモチベーションを要する(苦手意識のため)」と言った人は、講師の分かり易くポイントを絞った解説と言うのは、フィジカルアセスメントに興味を持つきっかけとしてはもってこいで、これをベースに教本を読めば雪だるま式に知識(+活用することによる臨床経験)が積めると感じました。

 

非常に分かり易い座学であったので、機会があれば再度、日本離床研究会の講習に参加してみたいと思います。

 

 

講習会で興味が出たら、別の教本を読んでみることもオススメ

 

フィジカルアセスメントの教本は多く出回っている(詳しくはアマゾンで、フィジカルアセスメントと検索すれば分かる)ので、それらも合わせて観覧すると、学習効果が高まる印象があります。

 

例えば、「同じ内容を、それぞれの教本が、それぞれ別の角度からか解説している」といったこともあるので、講習会に出てフィジカルアセスメントに興味が持てれば、その様な学習方法も有効だし、臨床が楽しくなると思います。

 

※もちろん、原理原則は一緒なので、重複した箇所も多いとは思いますが。

 

※例えば、フィジカルアセスメントの教科書で、アマゾンレビューの数・評価共に高い本としては以下などがあります。

 

 

 

 

日本離床研究会の教育システム

 

日本離床研修会が主催している講習は「実技コース」と「理論コース」に分類されるようです。

 

で、各コースに該当する講習会を7つ(つまり計14)受講して、尚且つ日本離床研修会の会員になっていれば、『離床アドバイザー』という資格がもらえます。

 

※離床アドバイザーとは「医療スタッフへ離床の助言できるレベルであることを証明する資格」に位置づけられるようです。

 

※会員になっていなければ(理論・実技講習を各7ずつ修了したとしても)離床アドバイザーという資格はもらえません。ただ、会員になっていなくともスタンプカードをもらえるので、それにハンコを押してもらって、条件を満たした段階で会員になるというのもOKだと解釈しています。

 

会員になるメリットは、日本離床研究会のホームページを参照してほしいのですが、メリットの中に「受講料が少し安くなる」というのがあります。

 

例えば、1万円の講習会が9千円で受講できるなど。

 

なので、一気に多くの講習会を受講しようと思った場合は会員になったほうがお得な反面、のんびりと気長に(自身が気になる講習会が近場で開催されたときに)数年かけて通おうと思っている人は、会員になるメリットについて、少し考えたほうが良いかもしれません。

 

 

離床アドバイザーの次は何?

 

理論コース・実技コースを各7講座受講し、尚且つ会員になっていれば、『離床アドバイザー』という資格を取得できると前述しました。

 

で、それより更に上位な資格も存在し、それが『離床インストラクター資格』です。

 

で、これを取得すると、更に「講師コース」や「一般市民教育コース」に進むことが出来、そこでは講習を開催するにあたってのノウハウや資料などがもらえるとのこと。

 

 

『離床インストラクター』とは:

「離床インストラクター」は、前述した「離床アドバイザー」を取得した上で、筆記試験・実技試験に合格すると取得できる資格になります。で、この資格の位置づけは「医療スタッフへ離床指導ができるレベル」となります。

 

 

批判ではないけれど、この教育システムで気になった点

 

今回のフィジカルアセスメント講習会は勉強になったので、日本離床協会の良い面ばかりを記載してきましたが、良い面ばかり記載している記事と言うのは胡散臭いものです。

 

なので、私が(離床研究会の講習を継続的に学んでいくにあたって)少し気になった点も記載しておこうと思います。

 

※決して批判している訳ではないのであしからず。。

 

前述したように、離床アドバイザーになるまでは簡単です(臨床に役立ちそうな講習会を受講していれば、自然と離床アドバイザーになれているはずです)。

 

ただし、ポイントは「会員になっておく必要がある」という点。

※ちなみに、会費は年4800円です。

 

で一度離床アドバイザーになった場合、退会した時点(つまり年4800円をケチった時点」で資格は剥奪されます。

 

別に、それは個人の自由なのですが、行動経済学的に、人間には『サンクコストの呪縛』というのが生じやすいとされています。

 

このサンクコストの呪縛とは以下の通り。

 

これまで払った対価が大きいと、なかなかそれを手放すことが出来なくなる(費用が継続的に必要であったとしても)。

 

金額面だけでなく、心理的な要因(これだけ頑張って取得したものを手放したくないなど)によっても固執しやすくなる。

 

ちなみに、更に上位資格である「離床インストラクター」の受験料は、筆記・実技共に1万円で、認定料(プレゼンテーション講習会参加料・勉強会開催スライド・資料含む)が1万円必要となります。

 

 

資格更新に必要な条件

 

百歩譲って、離床インストラクターも取得し、その資格の更新条件が「年会費4800円だけ」であれば、挑戦してみようという気になるのですが、資格更新に必要な条件はこれだけではなく以下などが挙げられます。

 

アドバイザーの更新条件:

⇒(会員資格継続+)3年間で更新ポイント50点

 

インストラクターの更新条件:

⇒(会員資格継続+)3年間で更新ポイント100点

 

※この「ポイント」というのは学会発表、学会・講習参加、レポート提出など様々で、ポイントも内容ごとに異なるようです。

 

 

これらの更新条件をネガティブにとるかポジティブにとるかは人それぞれだと思います。

 

「医療人として、あるいは指導者として、常に最新の知見や技術を習得するなどアップグレードしておく必要があるし、この位の更新条件は当然でしょ」と考える人もいるでしょう。

 

一方で、職場環境(例えばインストラクターとして活躍しやすい環境かどうか)によっては資格保有を負担に感じる局面も出てくる可能性があります。

 

つまり「片手間に資格取得した状態を維持することは出来ない」ので、どっぷりと日本離床研修会にコミットし続ける必要が出てくるように感じます。

 

※「日本離床研究会の講習だけで臨床は十分」「他は学ばなくても大丈夫」というのであれば、構いませんが、その逆な思考である場合、あまりにも資格維持に労力が必要な場合は、あなたの足を引っ張る可能性も出てくるという事です。

 

※例えば職場環境が変わって、資格更新の必要性を感じにくくなったとしても、前述した「サンクコストの呪縛」は強力です。

 

※きっと悪魔が「おまえ、あれだけ頑張って、お金も費やして取得した資格を放棄しちゃうの?」「おまえが費やした時間やお金は何だったの?」「念のため、資格は保有しときなよ」という声が聞こえてくると思います。

 

 

「資格取得」というのは、何かを学習する際に強力なインセンティブになり得るので、悪いことではありません。

 

でもって、今回受講した講習会も(個人的には)すごく勉強になりました。

 

ただ、資格取得を目指そうとするのであれば、ここに記載した「サンクコストの呪縛」は頭の片隅に入れておいても損は無いと思います。

 

 

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