【金融資産】「損失回避バイアス」と「資産運用」

制度・経済学
【金融資産】「損失回避バイアス」と「資産運用」

今回は、以下について記事にしてみました。

 

  • 日本人が持っている金融資産はどれくらいなのか
  • 損失回避バイアスとは
  • 資産運用の選択肢について

 

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日本人が持っている金融資産はどのくらい?

 

2018年11月に発表された知るぽると(金融広報中央委員会:事務局 日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2018年)のデータによると、

 

(2人以上の)世帯が持っている金融資産の平均は

 

1151万円

 

とのこと。

 

ただし、中央値は450万円。

 

※一部のセレブが平均値をメチャメチャ押し上げているので、中央血を参考にしたほうが良いかもしれません。

 

この金融資産は(ザックリとですが)以下の様な条件で算出されているようです。

 

  • 定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分
  • 保険や有価証券も含む
  • 現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除く

 

つまり、運用資金と表現することが出来ます。

 

でもって、金融資産の内訳は以下の通り。

  • 預貯金:505万円
  • 保険:382万円
  • 有価証券:221万円
  • その他金融資産:43万円

 

上記からは、金融資産は貯金が圧倒的に多く、次もリスクを伴わない「保険」であることから、

 

いかに日本人が投資をしていないかが分かります。

 

 

損失回避バイアス

 

日本人が投資嫌いなのは、前述したデータから明らかです。

 

※逆にアメリカなんかは、世帯の金融資産のうち「預金」と「投資」は半々くらいと言われています。

 

ただ、リーマンショックや震災が起こった際のリスクを考えると、どうしても投資には慎重になってしまいますよね。。

 

人間は「得られた利益」より「損失」を数倍も多く見積もってしまう様です。

 

※10儲かった時の喜びを10と仮定すると、10損失した時の悲しみを40くらいに見積もってしまうことが行動経済学から分かっています。

 

でもって、これは『損失回避バイアス』と呼ばれたりします。

 

あなたなら挑戦する?断る?

 

例えば以下の様に言われたら、あなたは挑戦しますか?断りますか?

 

君のバイト代は月10万円だよね。

今月は、「アタリ」と「ハズレ」が同じだけ入っているクジを引いて、

アタリが出たら、今月20万円あげるよ。

ただし、ハズレが出たら、今月の給料は無しになるよ。

このクジに、挑戦する? 挑戦しない?

 

上記は、

 

不確定要素がゼロ(確実に10万円もらえる)

 

 

不確実不確実(0円 or 20万円 とハイリスク・ハイリターン)

 

ではありますが、

 

振り幅が小さい(ゼロ)か、大きいかの違いしかありません。

 

ですが人間は(50%の確率でもらえるであろう20万円には意識がいかず)、万が一0円になってしまったときの悲しみばかりに意識が行きがちです。

 

なので、大多数の人は「クジは辞めておく」と答えるはずです。

 

でもって「クジに挑戦したい」と思ってもらうには、恐らく以下くらいのメリットを提示しなければいけません。

 

(10万円のバイト代が)当たりなら20万円に増える、ハズレなら6万円に減る

 

どうでしょう?

 

かなりお得な条件ですが、これでも人によっては「挑戦しない」と言うかもしれません。

 

それだけ、人間は「損失を多く見積もってしまう生き物」だという事です。

 

 

資産運用の選択肢について

 

話しを金融資産に戻すと、

 

今回の調査では、以下の様なデータも出ています。

 

金融商品を「いずれも保有していない」と回答した比率は1.6%

運用のために預貯金を含めて金融資産を持っていない世帯が約2%

 

でもって、政府は(年金だけに頼れる時代では終わっていることから)「自分達でも積極的に資産運用してお金を増やしてほしい」と思っているようです。

 

 

う~ん、資産運用してほしいと言われても・・

 

最近は日経平均株価がダダ下がりしてますね。

 

リスクがある以上、株式投資は手放しに推奨できるものではありません。

 

ですが、資産形成のためにバランスの良い資産配分が出来るに越したことは無いと思います。

 

リスクを最小限にしたいなら、以下などがお勧めです。

 

  • 円建て仕組み預金(1000万円以下なら元本保証なので安心。ただし、自身の都合で中途解約したら、この限りではない)
  • 国債の購入(国が破綻しない限り、元本割れすることは無い)

 

 

 

多少のリスクを取っても良いなら以下などがお勧めです(元本割れリスクあり)。

 

  • NISA(少額投資非課税制度)
  • 確定拠出年金

 

ちなみに、これらは政府主導で実施している政策であり、かなり税制面で優遇されていたり(あくまで他の投資と比べての話にはなりますが)、リスクは小さいと言われています。

 

ただ、マネーリテラシーが高い人は知っている反面、

 

資産運用に興味関心が向いていない人には全く周知されていない制度なので、

 

もし「知らなかったけど興味が出た」っという人は、調べてみてください。

 

※重複しますが、投資なのでリスクがある点には注意してください。

 

※リスクゼロで資産運用したいなら「仕組み預金」や「国債」がオススメです。

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