この記事では末梢神経の機序について解説している。
機序を知ることで初めて治療が可能となるので、末梢神経障害へのアプローチの参考にしてみてほしい。
末梢神経の特徴
末梢神経は身体中に張り巡らされているが、身体が動くに伴い以下の特徴に特徴により適応している。
- 緊張
- 滑走
- 圧迫
緊張
神経はゴムのように伸長するが、伸張性は高くなく、過度な緊張により末梢神経障害や断裂を生じる。
滑走
隣接する組織に対して滑走し、神経経路全体の緊張の平衡を保つ。
圧迫
末梢神経はある程度の圧迫に耐えうるが、過度な圧迫は神経障害を生じさせる。
そして、上記機能に対して過度な負担や機能不全が生じることで「末梢神経障害」が起こってしまう。
末梢神経障害の原因
末梢神経障害の原因は以下の通り。
- 過度な牽引(=過度な伸張を要求される)
- 過度な滑走不全
- 過度な圧迫
過度な牽引
交通事故などの末梢神経の牽引ストレスが生じた場合、神経断裂などの末梢神経損傷が生じ、末梢神経障害になる。
過度な滑走不全
滑走不全により、末梢神経症状が以下のメカニズムで生じる。
過度な圧迫
神経が圧迫されると神経伝達障害が生じるため、末梢神経障害が生じる。
一過性のものであれば「長時間の正座で足が痺れる」などがイメージしやすい。
QLSでの腋窩神経絞扼、梨状筋による坐骨神経絞扼などなど、身体には絞扼されやすい部位が存在し、それらの部位で圧迫を受けやすい。