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【速報!訪問マッサージの将来は悲観的?】令和4年改定あはき療養費の基本的な流れ(療養費検討専門委員会の議論を参照)

制度・社会情勢

厚生労働省より、「あはき療養費の令和4年改定の基本的な考え方(案)」が公表された。

※公表されているPDFサイトは最後に引用文献・参考文献として記載。

 

今回は、改定のポイントとなりそうなものをピックアップして記載していく。

 

これらは、仮に今回の改定に反映されなかったとしても「将来的に起こり得る大きな流れ」と捉えることができるため、把握しておくことは重要となる。

 

目次

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①往療料の見直し

 

1点目は往療料の見直しに関して。

 

往療料というのは「出張する手間賃」のような意味合いがあり、現在は距離によって2パターンの報酬料金に分かれている。

 

ただ、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリ・訪問介護・訪問入浴といった医療・介護サービスに「出張するための手間賃」は存在しない。

 

っということは、整合性をとるためのに、「一方の往療料金を廃止する」 or 「一方に往療料を新設する」のいずれかをいなければフェアじゃない。

 

そして、少子高齢化による社会保障費のひっ迫から考えると、前者が採用されるほうが可能性としては高い。

 

以前『【往療料がヤバい】今後は訪問マッサージ往療料はガンガン削られる可能性が高い件』という記事で解説していたのですが、いよいよ大胆なメスが入る可能性が出てきたということだ。

 

具体的な方向性・検討された内容は以下の通り。

  • 現状の、施術料よりも往療料が多くなっているという現状を見直す改定を行う。
  • このため、現在の交通事情や、他の訪問で行うものの報酬を踏まえ、距離加算の廃止や施術料と往療料を包括化した訪問施術制度の導入について検討し、結論を得る。

 

個人的にも「距離によって各患者が支払う料金が異なる」よりも「施術料に包括してもらい患者が支払う料金が統一される」のほうがシンプルで、患者への説明も楽だと感じる。

 

ただし、厚労省のやり口として、「往療料が包括された施術料」は、トータルで考えると大幅に減算されることが予想できる。

 

 

②マッサージ及び変形徒手矯正術の施術料について、「施術部位数に応じた報酬」から「包括料金」に移行

 

2点目は「施術部位数に応じた報酬」から「包括料金」への移行について。

 

現在、マサージ施術料は「実施した部位の数」によって料金が異なる。

※最大5部位(右上肢・左上肢・右下肢・左下肢・躯幹)

 

また、マサージ施術料に加算される変形徒手矯正術の施術料も「実施した部位の数」によって料金が異なる。

※最大4部位(右上肢・左上肢・右下肢・左下肢)

 

この部位数は「医師の判断(医師の同意書に記載された内容)」によって決定されるのだが、これも「患者に早い段階で施術料金を明確に提示してあげれない」という意味で好きではなかったが、これが以下のようにシンプルになる可能性があるようだ。

 

  改定前 改定後(案)
マッサージ

1局所につき350円

(最大5部位)

マッサージ1回につき〇〇円
矯正術による加算

1肢につき450円加算

(最大4肢)

マッサージと併施した場合、1肢につき○○円加算

 

上記のように改定されればシンプルで良いのではないだろうか!

「最大5部位の患者が多かった事業所」はマイナス改定になるが、「平均すると2部位の患者が多かった事業所」はプラス改定になるといったレベルの報酬に落ち着くと予想する。

 

そもそも「1局所につき○○円」という発想も、訪問マサージ独特で他の医療従事者としては意味不明。

西洋医学ですら運動連鎖・筋膜連鎖・関連痛・代償動作などなどを考慮して「全身を評価していく」というのが常識となっている昨今において、経絡経穴なども覚えさせられる案マッサージの制度とは到底思えない内容だ。

 

ちなみに、包括化の正当性を示す考えとして、資料には以下の内容が記載されている。

人体は筋、筋膜、骨格等によってつながり影響し合っているため、患部の改善のため、患部とともに、非麻痺側等の患部以外への施術も必要となる場合があるという指摘がある。「包括料金」とすることにより、療養費のより適正な支給を図るとともに、施術部位数によって患者の負担が変わらないようにして、必要な場合に、患部とともに、非麻痺側等の患部以外にも施術を行いやすくするものであり、料金改定の趣旨について患者に周知を図る。

 

③同一日・同一建物での施術の場合の料金の在り方

 

その他の議題としては「同一日・同一建物での施術の場合の料金の在り方」などが挙がったようだ。

令和3年度の療養費頻度調査において往療内訳表を提出いただき、同一日・同一建物での施術の状況等を集計・分析しているところであり、その結果を踏まえ、同一日・同一建物での施術の場合の料金の在り方、往療内訳表の在り方について、引き続き検討することとしてはどうか。

 

引用・参考文献:療養費検討専門委員会の議論

 

引用・参考文献は以下となる。

⇒『厚労省公式:あはき療養費の令和4年改定の基本的な考え方(案)について【療養費検討専門委員会の議論』」」

 

 

その他、将来的に改定されそうな項目

 

ここからは独断と偏見で、「将来的に書いていそうな項目」を予想してみる。

 

私が着目しているのは「他医療サービスとの整合性が問われそうな内容(例えば前述すした往療費など)」が改定する可能性があると考えており、具体的には以下の2つ。

  • 同意書の有効期間(現在は6カ月、徒手矯正術の併施なら1か月)
  • 「○○分で○○円」という時間単位性の導入

現在、訪問マッサージは「○○分で○○円」という概念は無いため、極論として「5分の施術」だろうと「1時間の施術」だろうと報酬額は同じ。確かに、「○○分で○○円」という考えは賛否あるとは思うのですが「他サービスとの整合性」という意味では導入される可能性があります(訪問看護・訪問リハビリは「○○分で○○円」という報酬体系になっているので)。

もし「時間による報酬区分」が設けられると以下になる。

  • 「短時間・高頻度訪での訪問をしている事業所」は減算となる。
  • 「ホドホドの施術時間での訪問をしている事業所」は適正な報酬となる。

 

現在の訪問マッサージ事業所は、「20分~30分のマッサージ」を相場としている。

確かに「マッサージだけ」であれば、この位の時価で十分なケースも多いだろう。

 

しかし一方で、最近の流れてとして「リハビリテーションも考慮(関節可動域訓練・運動療法も+αとして施行する)という事業所も増えてきている。

 

でもって、徒手療法・運動療法・起居移動動作訓練といった一連のリハビリテーションを実施するとなると、「20~30分では不十分なケース」が増えてくる。

 

政府があん摩マッサージ指圧期待しているサービスが「キチンとしたリハビリテーション」に寄っているのであれば、「時間単位での報酬(例えば20分○○円、40分だと○○円×2という感じ)」になる可能性は十分にある。

 

 

おわりに

 

いかがだっただろうか?

あくまで「案」ではあるものの、(これが4月診療報酬改定に反映されなくとも)今後の方向性を予想する材料にはなるのではと感じる。

 

R6年(2年後)には、更なる大改定の可能性も!!

 

診療報酬は2年毎に、介護報酬は3年毎に改定される。

でもって直近では、以下のような形で改定が繰り返されている。

 

  診療報酬 介護報酬
H30 改定 改定
R1 ー--- ー---
R2 改定 ー---
R3 ー--- 改定
R4 改定 ー---
R5 ー--- ー---
R6 改定 改定

 

注目は診療報酬・介護報酬の同時改定が「6年に1度のペース」で起こるという点。

 

でもって、次のダブル改定はR6年(2年後)だ。

 

ダブル改定の年は「診療報酬と介護報酬を同時にイジって、整合性をとることができる」という観点から(他年の改定と比べて)大きな改定が起こりやすいと言われているため要注意!!

 

自身が保有する資格における診療報酬・介護報酬の遷延を把握しておくことは、未来予想に繋がり、先手を打つことが可能となるため、ぜひ注視していこう!!

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