関節構成体を解説 | 水を抜くと癖になる??

専門用語(国試関連)

この記事では、関節構成体について解説している。

 

また医師が「関節包内の滑液を抜く行為」の是非についても言及している。

 

関節を構成するもの

 

関節(滑膜関節)を構成するものとしては以下が挙げられる。

  • 関節軟骨
  • 関節包
  • 滑膜

※その他、膝関節であれば前十字・後十字靭帯や半月板なども挙げられる。

 

 

ちなみに、関節軟骨には血管が無いものの骨には血管が豊富なため、変形性関節症などで関節軟骨が摩耗して骨が刺激されると疼痛が出現してしまう可能性がある。

 

 

滑液を抜くという処置

 

滑膜からは滑膜という関節潤滑剤を分泌するのだが、関節内に炎症が生じると過剰に分泌されてしまう。

 

すると「関節包内がパンパンに腫れて可動しにくく、痛みも生じやすい状態」になってしまう。

 

従って「関節内の滑液を抜く」と関節運動円滑性向上・疼痛緩和につながるため、医師が処置として行うことがある。

 

しかし、滑液の過剰分泌は「炎症」が根本的な問題なため、対処療法に過ぎない。

 

従って、時とともに再び関節は腫れてしまう。

 

そして「関節内の水を抜く⇒再び関節が腫れる」が繰り返されると、「関節内の水を抜くと、癖になって逆に腫れやすくなる」という都市伝説が生まれる結果となった。

 

 

ただし、前述したように「滑液を抜く」という行為自体は(対処療法ではあるが)即時的に機能改善につながるため、一つの選択肢としては間違ってはいない。

 

そして活動性を維持しつつ、正しい運動療法を組み合わせることで根本改善を臨床推論していくことが重要となる。

 

※加齢による不可逆的要素が疼痛に関与している割合が高い場合は「環境などにも配慮しつつ、QOLを高めていく」というICFの概念も大切となる。

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