マッサージ学校へ通うからには「マッサージ技術を高めたい」と誰もが思っているはずだ。
もちろん「マッサージの資格を保有していなければ出来ない仕事」もあるわけで、それらの仕事をするために「単純に国家資格が欲しいというだけ」な人もいるかもしれない。
しかし、そうであったとしても、マッサージ技術は高いに越したことはないはずだ。
そうなると学校を選ぶ際、「マッサージの実技形態」は知っておいて損はない。
この記事では、そんな「学校を選ぶ際、実技形態のどの部分に着目すべきか」について掲載している。
ちなみに私は現在、あん摩マッサージ指圧が学べる学校へ通っており、学びながら感じている事を材料に記事を作成している。
そのため一定の信頼性・妥当性は担保できていると思うので、ぜひ「一つの意見」として参考にしてみてほしい。
学校の実技授業で着目すべき点
学校へ入学するにあたって「実技授業の着目すべき点」は以下の通り。
- 定員は少ないか
- 多いのであれば、クラス分けが出来ているか
- 体系的でルーチーンな型が存在しているか
- 放課後、あるいは授業前に自主練習ができる環境は整っているか
定員は少ないか
ゴッドハンドから学べる環境があったとしても、受講生が多すぎたら意味がない。
極論として、「世界で一番指導力のある講師へ、他の100人と一緒に学ぶ」より「そこそこの指導力な講師へ、他の8人と一緒に学ぶ」のほうが確実に技術は向上する。
特に技術について全くの素人であれば、講師からの直接的な指導が受けれるほどに上達が早い。
もちろんマッサージ技術であれば「講師の技術も体験しながら、自身も実践する」という過程において、生徒同士で「講師との違いを言い合うこと」も研鑽につながる。
これが「講師1 対 生徒大多数」であった場合は以下などが生じやすい。
講師を捕まえようとしても、常にだれかが質問しており、なかなか質問できない。
実技体験も同様で、実技を受けようと思ってもつかまらず、相手の技術が上達しているのかどうかも比較しようがない。
実技体験は多いほど良いが、講師にしてみれば休みなく何十人もに立て続けに実技を指導しているので、お願いしても(疲労もあり)嫌がられる。
これが少人数であれば、容易に躊躇なく質問、実技体験できる環境にあり、間違っているポイントもすぐに修正してもらえる。
講師も大人数を相手にしているわけではないので、余裕をもって技術提供できる。
多いのであれば、クラス分けが出来ているか
先ほどの「定員が少ないか」の続きになるが、学生が多くても以下な環境を提供してくれている学校であれば問題ない。
- 実技授業は、複数講師による体制で受けれる
- 実技授業は2クラスに分けて少人数で受けれる
いずれにしても、講師による接触回数が多くなるので、それだけ実技能力の向上が図れる可能性あり。
ただ、個人的には「10人に対して1人の講師」程度が学ぶ上で理想的な環境だと感じる。
※受講生2人1組だとして、5組に1人の講師が指導する感じ。
ただ、「20人~30人の生徒」に対して1人の講師が指導するといった学校が多いように感じる。
体系的に学べる技術が存在しているか
体系的に学べる技術とは以下を指す。
具体的には、あん摩マッサージ指圧を全身に施術する際の順番などが「型」として決まっており、それを全身調整というで施せる手法を持っているかということ。
これがある学校であれば「型」を繰り返し学んでいる内に、自然と全身施術に対する技術向上が可能と考える。
もちろん、同じ「型」を何度も練習するので、途中からは講師が居なくとも、生徒同士の練習でもフィードバックを受けやすい。
もちろん最終的には「クライアントを型に当てはめる」ではなく、各患者の訴えに応じて、適切なアプローチを細かく組み立てていく能力を身に着けていくスキルが必要不可欠ではある。
しかし、それは「型」と平行して学べば良いし、臨床で少しずつ「型」への枝葉として増やしていけば良いと感じる
「型にはまった技術」ですら奥が深く卒前に極めることは困難なので、臨機応変な施術スキルを卒前に臨むのはかなりハードルが高い。
っとなると、卒後の臨床で「型(ルーチーンで可能な全身調整)」が習得されていない場合、基礎てきなあん摩マッサージ指圧スキルを目の前のクライアントに適応していくことになるのだが。。。
これは「何の羅針盤も持たせず、大海へ一人放り込むに行為」となりかねない。
従って、卒後すぐに独立開業したいと思っている人であるほど「(施術時の羅針盤となりえる)型」を指導してくれる学校の方が良いと感じる。
なので結局(知識はともかくとして)技術的には前者な状態で卒業することが多いと思う。
であるならば、多少臨床でも使える状態として「型へ落とし込めている状態」になっておくのも良いのではと感じる。
その様な学校の卒業生の中には「迷ったときには学んだ型へ立ち返る」という人も多い。
卒後に大海原へ出向する際、海で迷わないための羅針盤(軸)としての意味でも強い味方になってくれるのではないだろうか。
余談として「特殊な型」を学ぶことのデメリットについても記載する。
独立開業を目指さない場合、学校で学んだ型が弊害となる場合もあるので念のため。
学校で学んだ技術が特殊であるほどに、(独立開業ではなく)就職した際に技術を使わせてもらえなくなる可能性がある(だれも技術を知らないので指導出来ないし、指導者が指導しやすい技術を再び教え込まれることとなる)。
もちろん、ありふれた技術で構成された「型」なら問題ないが、特殊な技術で構成された「型」を学んだ場合「その型を施術に活かしている場所」でなければ学んだことを生かせないというデメリットがある。
一見「特殊な型」は、他の施術者との差別化を図る武器となりえるが、一方で「卒後に指導を受けれる環境が少なく、雇われて働く場合は、使わなくなる可能性がある」というケースは意外と多い。
まとめとして、理想は以下だと感じる(かなりハードルは高くなるが)。
※あるいは、非常に一般的な「あん摩マッサージ指圧のみ」で構成された型を用いている学校を選ぶこと(これなら応用が利く)。
自主練習ができる環境は整っているか
前述した「定員は多くないか」「多いのであれば実技授業時に、クラス分けなどの工夫がなされているか」は簡単に調べることが出来る。
ネットに定員は記載されているし、クラス分けも問い合わせで簡単に知れる。
一方で「型として技術を教えているか」は中に入らなければわからない場合も多く、理想論かもしれない(入学前に知れるに越したことはないので念のため記載したが)。
そして、オープンキャンパスなどで「じっくりと講師や在校生と話せる機会」に聞いておいて損がないのが以下になる。
- 学校の教室(実技ルーム)が授業以外でも解放されているのか
- 学生が自主的に練習したいと思った場合は、どうしているのか
- 上級生たちも含めて参加しているサークルのようなものは存在するのか
実技ルームが解放されていて、上級生からも学べるサークルのようなものがあれば非常に強い。
前述したように、講師に学ぼうにも「1対大多数」なのでフィードバックを受けれる機会は意外と少ないので、サークルのような「悩みを共有してもらえそうな多くの先輩方と自己研鑽できる環境」はメリットだ。
終わりに
いかがだっただろうか?
結局、あん摩マッサージ指圧の技術が上達しなければ、無事に国家試験を合格しても、成功できる可能性は低い。
実際、あん摩マッサージ指圧の実技に割かれる時間は、皆が想像しているよりも少ないと思う。
なぜ、飯のタネであるはずの「実技指導の時間」が少ないのか?
それは以下の通り。
ぜひ体験入学などの際に、実技形態などを質問する際の参考にしてほしい。
関連記事
ちなみに、あん摩マッサージ指圧学校へ入学する際に調べておきたいポイントは他にもあり以下の通り。
- 入学のしやすさ(そもそも、入学できなければ意味がない)
- 国家試験の合格率(そもそも、国家試験に合格しなければ意味がない)
- 学費(授業料は安い方が良い)
- 自身が通いやすいか、あるいは 一人暮らししやすいか
- 望んでいる学生生活にマッチした時間帯か(昼間or夜間)など
- マッサージだけ学びたいのか、鍼灸も学びたいのか
そして、全ての項目が100点な学校は存在しない。
なので、色々と総合的に判断して、自身にとって「これは大切」と感じる部分を重要視すれば良いと思う。
学校を選択する材料としては以下などの記事もあるので、興味がある方は合わせて観覧してみてほしい。
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