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陰虚(虚熱)・陰盛(実陰)・陽虚(虚寒)・陽盛(実陽)とは |陰陽学説

東洋医学

この記事では、陰陽学説における陰虚(虚熱)・陰盛(実陰)・陽虚(虚寒)・陽盛(実陽)について解説していく。

 

陰陽のバランスが取れた状態が基本

 

東洋医学では「陰陽の平衡が保たれなくなった状態」を『病』と定義づけている。

 

そして、「引用の平衡が保たれている状態」を簡便に表すと以下のようになる。

 

上記は、陰・陽が「多すぎず、少なすぎずな状態でバランスが取れている状態」とイメージしてほしい。

 

そして陰陽学説では「陰陽の平衡が崩れた状態」を以下の2つに分類して考えていく。

  • 陰の病理(=陰虚・陰盛)
  • 陽の病理(=陽虚・陽盛)

 

 

陰の病理

 

陰の病理は以下の2つを指す。

  • 陰虚(陰が少ない状態)
  • 陰盛(陰が過剰な状態)

 

陰虚

 

陰虚とは「陰の機能が低下した状態」を指す。

陰虚では火照りや熱症状が現れることがある。これは「陰液が不足したために生じた熱」との解釈から虚熱とも呼ばれる。

 

陰虚と虚熱は同義語として扱われる。

 

陰虚(虚熱)をイラストで示すと以下になる。

上記は「陰が減ることで、相対的に陽が多い状態(陽がクローズアップされた状態)」になっていることを示している。

 

陰虚の症状は以下などが挙げられる。

五心煩熱・盗汗・頬部紅潮・夜間の潮熱・口乾・舌質紅・脈細数など。

 

五心煩熱ごしんはんねつ

手や足部に熱感がある状態を手足心熱と呼ぶ。

これに「胸部の熱感・不快感」が加わ和ったものを五心煩熱(ごしんはんねつ)と呼ぶ。

 

盗汗とうかん

ザックリ表現すると寝汗のこと。

 

頬部紅潮

頬の部分だけが赤くなっている状態(酔っ払いをイメージすると分かりやすい)

 

(夜間の)潮熱

ある時刻になると熱っぽくなること

 

脈細数みゃくさいさく

細くて速い脈のこと。

東洋医学では「数」を「さく」と読む。

陰虚の代表的な症状!

 

何となく上記症状はは「陽が過剰になった状態(陽盛)」を連想してしまいがちだがしてしまいがちなので注意する。

前述したように陰虚は「陰液が不足したために生じる熱」である。

 

脈数(みゃくさく)=頻脈ではない:

脈数と頻脈では以下のように定義が異なる。

頻脈:1分間に100回以上の脈拍

脈数:1呼吸に4~5拍を基準にして、それより速いもの

上記の定義から「数脈(1呼吸に4~5回以上の拍動)だけれど、頻脈100回/分以上の拍動)でははない」というケースもあり得る

つまり脈数=頻脈ではない。

 

アプローチとしては「減っている陰を足してあげる」という考え。

例えば睡眠(=陰)を十分にとるなど。

※逆に言うと「睡眠不足で体調が悪い」というのは陰虚に該当する。何となくイメージできるだろうか?

何が陰で、何が陽なのかは、以下の記事で分類しているので整理してみてほしい。

 

陰虚の症状が顕著になった状態を陰虚火旺いんきょかおうと呼ぶ。

 

陰虚火旺は以下の順で起こると想像しておいてほしい。

  1. 陰虚(陰が減る)
  2. 陽が制御できなくなり増える。

 

以下が陰虚火旺のイラストとなる。

 

 

陰盛(実寒)

 

陰盛とは「陰の機能が亢進した状態」を指す。

 

この冷えは生理的範囲を超えているため、実証(余分なもの、滞った状態)であり、実寒とも呼ばれる。

 

陰盛(実寒)をイラストで示すと以下になる。

 

上記は、陰が「正常よりも過剰となっている状態」を示している。

 

陰盛(実寒)の症状としては、寒がり、顔面蒼白、疼痛(古傷・慢性痛が疼くなど)、下痢・小便清長(透明な尿が頻回に出る)、脈緊・脈遅などが挙げられる。

 

アプローチとしては「増えている陰を減じてあげる」という考え。

 

 

陽の病理

 

陽の病理は以下の2つを指す。

  • 陽虚(陰が少ない状態)
  • 陽盛(陰が過剰な状態)

 

陽虚(虚寒)

 

陽とは、気の温煦作用(温かくする作用)の現れてである。

そのため、気が減少すると陽の機能も低下する。

 

陽は「陰液(血・津液・精)を推動(押し動かす)する役割」も担っている。

イメージとしては「陰は静的で、自身で動こうとする力が少ないため、陽の力で動かしてあげる」という感じ。

例えば陰液を「心臓・運動(陽)」により全身へ循環させるなど。

 

そして、「陽の機能が低下した状態」を陽虚と呼ぶ。

※陽虚は虚寒とも呼ばれる。

 

陽虚(虚寒)をイラストで示すと以下になる。

 

上記は「陽が減ることで、相対的に陰が多い状態(陰がクローズアップされた状態)になっていること」を示している。

 

ちなみに「気温(体外)が低くて体が冷える」というのは陽虚ではない。「体内のが不足したことで体が冷える」というのが陽虚である。

 

つまり陽虚の症状としては(寒証だけでなく)気虚の症状も含まれ、以下などが挙げられる。

 

寒証症状:

寒がり、四肢の冷え、顔面蒼白、腹痛、下痢、小便清長(透明な尿が頻回に出る)・遅脈

※陰盛の症状と類似。

 

気虚症状:

自汗(運動もしていなのに常に汗をかいているなど)、精神の疲労、倦怠感、食欲不振、短気(息切れのこと)、脈弱

 

 

アプローチとしては「減っている陽を足してあげる」という考え。

例えば入浴(温熱=陽)するなど。

 

 

陽盛(実熱)

 

陽盛とは「陽の機能が亢進した状態」を指す。

 

この熱は生理的範囲を超えているため、実証(余分なもの、滞った状態)であり実熱とも呼ばれる。

 

陽盛(実熱)をイラストで示すと以下になる。

 

  

上記は、陰が「正常よりも過剰となっている状態」を示している。

 

症状としては、身熱・顔面紅潮、口渇・煩躁・小便短赤(尿量が減少し、濃い色の尿が排出される)、便秘、舌質紅・舌苔黄・脈数などが挙げられる。

 

煩躁(はんそう)とは

煩躁とは、身体に煩わしい不快な熱感があるということ。また、不安や気分が悶々とし落ち着かずに苦しむ状態を指す。

 

アプローチとしては「増えている陽を減じてあげる」という考え。

 

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⇒『陰陽学説、何が陰で、何が陽? 覚え方を解説

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