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2026.6.2/訪問マッサージ療養費改定はいつ決定・開始?令和8年度改定案の実務ポイント

制度・社会情勢

令和8年度のあはき療養費改定案が示され、訪問マッサージの現場でも 「いつ決定するのか」「いつから新料金で運用するのか」 「6月施術分から請求を変えてよいのか」といった疑問が出ていると思います。

 

今回の記事では、訪問マッサージ事業者の視点から、 令和8年度の療養費改定案について、現時点で分かっていることと、 まだ正式通知を待つべき部分を整理します。

💡 この記事の結論

改定率+0.60%は政府決定済みです。 一方で、訪問マッサージの請求実務では、 料金表・算定ルール・申請書様式・レセコン対応などを含めて、 厚労省の正式通知を確認してから運用する必要があります。

特に、月16回以降の50%逓減、訪問施術料4・5、新たな療養費支給申請書が関わる部分は、 資料上「令和8年○月」とされているため、現時点では断定しないほうが安全です。

まず大枠としては、 「6月施術分から新単価への対応準備を進める。ただし、一部制度改正は正式通知待ち」 という理解が実務上は現実的です。

 

 

目次

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まず押さえたい全体像

 

今回の改定案では、

マッサージの局所単価や訪問施術料が引き上げられる一方で、

月16回以降の施術に対する50%逓減、訪問施術料4・5の新設、明細書発行加算の新設など、請求実務に影響する見直しも含まれています。

 

項目 現時点の整理 実務上の対応
改定率 +0.60%。政府決定済みと説明されています。 料金改定全体の前提として把握します。
マッサージ単価 1局所につき450円から470円へ引き上げ予定です。 料金表・患者説明資料・レセコン設定の確認が必要です。
訪問施術料1〜3 資料上は「令和8年6月1日施行」と記載されています。 6月施術分からの適用を想定しつつ、正式通知で最終確認します。
月16回以降の50%逓減 導入予定ですが、資料上の実施時期は「令和8年○月」とされています。 正式通知が出るまで、請求実務では確定扱いにしないほうが安全です。
訪問施術料4・5 10人以上、20人以上の新しい区分が示されています。 新様式・レセコン対応・保険者運用の確認が必要です。
明細書発行加算 明細書を無償発行した場合に10円を算定する案です。 交付タイミング、月まとめ交付、様式の確認が必要です。

🔑 補足

「改定案が出ていること」と「請求実務として完全に運用できること」は分けて考える必要があります。

特に療養費は、通知、様式、疑義解釈、保険者・国保連合会・後期高齢者広域連合の運用、 レセコン対応まで確認してから実務に落とし込むのが安全です。

 

改定率はすでに政府決定済みです

 

令和8年度のあはき療養費改定率は、資料・議事録上、 +0.60%とされています。

 

これは、令和8年度診療報酬改定における医科の改定率や、 経済・物価動向などを踏まえて決定されたものです。

 

ただし、ここで注意したいのは、 「改定率が決定済み」ということと、「すべての請求ルールが現場で即運用可能」ということは同じではない という点です。

 

 

訪問マッサージで特に影響が大きい変更点

 

訪問マッサージの実務に関わる部分では、主に次の変更点が重要です。

  • マッサージ1局所の単価引き上げ
  • 訪問施術料1〜3の引き上げ
  • 訪問施術料4・5の新設
  • 月16回以降の50%逓減
  • 明細書発行加算の新設
  • 新たな療養費支給申請書の様式整備

 

 

マッサージは1局所470円へ

 

マッサージについては、1局所につき20円引き上げられ、 1局所470円に改定される案です。

 

5局所の場合は、1回あたり2,350円となる見込みです。

 

局所数 改定前 改定案 増額
1局所 450円 470円 +20円
2局所 900円 940円 +40円
3局所 1,350円 1,410円 +60円
4局所 1,800円 1,880円 +80円
5局所 2,250円 2,350円 +100円

 

訪問施術料は令和8年6月1日施行と示されています

 

訪問施術料については、資料上、 「令和8年6月1日施行」 と記載されています。

 

そのため、訪問施術料1〜3の改定単価については、 6月施術分からの適用を想定して準備するのが自然です。

 

区分 対象人数 1局所 2局所 3局所 4局所 5局所
訪問施術料1 同一日・同一建物で1人 2,750円 → 2,770円 3,200円 → 3,240円 3,650円 → 3,710円 4,100円 → 4,180円 4,550円 → 4,650円
訪問施術料2 同一日・同一建物で2人 1,600円 → 1,620円 2,050円 → 2,090円 2,500円 → 2,560円 2,950円 → 3,030円 3,400円 → 3,500円
訪問施術料3 同一日・同一建物で3人以上9人以下 910円 → 930円 1,360円 → 1,400円 1,810円 → 1,870円 2,260円 → 2,340円 2,710円 → 2,810円

実務上のOK例

6月施術分からの新単価対応を想定して、 レセコン会社や請求代行会社に 「訪問施術料1〜3はいつの施術分から新単価で請求する設定になるのか」 を確認しておくと安心です。

 

訪問施術料4・5は新設予定です

 

今回の改定案では、同一日・同一建物で施術を行った患者数が多い場合について、 新たに訪問施術料4・5が示されています。

 

区分 対象人数 1局所 2局所 3局所 4局所 5局所
訪問施術料4 10人以上19人以下 620円 1,090円 1,560円 2,030円 2,500円
訪問施術料5 20人以上 540円 1,010円 1,480円 1,950円 2,420円

 

ただし、訪問施術料4・5を算定する場合は、新たな療養費支給申請書による請求が想定されています。 そのため、資料上の実施時期が「令和8年○月」とされている点には注意が必要です。

 

⚠️ 誤解しやすいポイント

訪問施術料の欄に「令和8年6月1日施行」とある一方で、 訪問施術料4・5や月16回以降の逓減など、新たな申請書が必要となる部分は 「令和8年○月より実施」とされています。

そのため、訪問施術料4・5については、 正式通知・新様式・レセコン対応を確認するまで、 6月施術分から当然に請求できると断定しないほうが安全です。

 

月16回以降の50%逓減も正式通知待ちです

 

改定案では、月16回以降の施術について、 マッサージ、訪問施術料、温罨法、変形徒手矯正術などを 所定料金の100分の50に相当する額 で算定することが示されています。

 

これは、頻回施術に対する適正化の意味合いが強い見直しです。 ただし、この取扱いについても資料上は「令和8年○月より実施」とされているため、 実際の請求開始時期は正式通知で確認する必要があります。

🔑 チェックすべき患者

事業所としては、月16回以上の訪問マッサージを受けている患者様をあらかじめ洗い出し、 逓減が始まった場合に一部負担金や請求額がどう変わるかを確認しておくと、 患者説明や事務処理がスムーズになります。

 

運用開始はいつと考えるべきか

 

現時点での実務判断としては、次のように整理するのが安全です。

 

内容 運用開始の考え方 注意点
マッサージ単価の引き上げ 6月施術分からの対応を想定します。 正式通知の金額・適用日を確認します。
訪問施術料1〜3 令和8年6月1日施行と示されています。 6月施術分を7月請求する段階で、レセコン設定を確認します。
月16回以降の50%逓減 正式通知待ちです。 対象患者の洗い出しだけ先に進めます。
訪問施術料4・5 正式通知・新様式待ちです。 高齢者施設等で多数施術している事業所は特に注意が必要です。
明細書発行加算 正式通知・様式確認後に運用します。 無償発行、月まとめ交付、患者希望の確認方法を整理します。

💡 実務上の結論

6月施術分から新料金に対応できるように準備しつつ、 月16回以降の逓減、訪問施術料4・5、新様式、明細書発行加算については、 正式通知が出るまで確定扱いにしないのが現実的です。

 

訪問マッサージ事業者が今やっておくべき準備

 

改定内容が完全に通知されてから慌てるのではなく、 いまの段階で準備できることは進めておくと安心です。

 

  1. 6月施術分からの新料金に備えて、料金表を仮更新しておきます。
  2. レセコン会社・請求代行会社に、新単価の反映予定日を確認します。
  3. 月16回以上の施術がある患者様を洗い出します。
  4. 同一日・同一建物で10人以上、20人以上となるケースを確認します。
  5. 訪問施術料4・5の対象になり得る施設・患者群を把握します。
  6. 明細書発行のタイミングと患者説明の流れを整理します。
  7. 正式通知が出たら、保険者・国保連合会・後期高齢者広域連合の案内と照合します。

経営活用例

月16回以上の患者様や、同一建物で複数名の施術がある施設を一覧化しておくと、 逓減や訪問施術料4・5が正式運用された際に、 売上見込み、一部負担金、請求事務への影響を早く把握できます。

 

患者様への説明で気をつけたいこと

 

料金改定があると、患者様やご家族から 「自己負担は増えるのですか」 「いつから変わるのですか」 と聞かれることがあります。

 

このときは、まだ未確定の部分を断定せず、 次のように説明するとよいです。

 

説明例

「令和8年度の療養費改定案では、訪問マッサージの料金が一部見直される予定です。 6月施術分から変更となる部分がある見込みですが、 実際の請求額や自己負担額については、正式通知と保険者の取扱いを確認したうえでご案内します。」

 

⚠️ 避けたい説明

「全部6月から決定です」 「訪問施術料4・5もすぐ使えます」 「月16回以降は必ず6月から半額になります」 といった断定は避けたほうが安全です。

特に、新様式や正式通知が絡む部分は、 実施時期が変更・整理される可能性があります。

 

まとめ

 

令和8年度の訪問マッサージ療養費改定案については、 現時点では次のように整理できます。

 

  • 改定率+0.60%は政府決定済みです。
  • マッサージ1局所は470円へ引き上げられる案です。
  • 訪問施術料1〜3は、資料上、令和8年6月1日施行と示されています。
  • 月16回以降の50%逓減は導入予定ですが、実施時期は正式通知待ちです。
  • 訪問施術料4・5は新設予定ですが、新様式や実施時期の確認が必要です。
  • 明細書発行加算も新設予定のため、交付方法と様式確認が必要です。

 

したがって、訪問マッサージ事業者としては、 6月施術分からの新単価対応を準備しつつ、制度改正部分は正式通知を待って確定させる という姿勢が重要です。

 

特に、6月施術分を7月に請求する段階では、 レセコン会社、請求代行会社、保険者、国保連合会、後期高齢者広域連合の案内を必ず確認しましょう。

 

💡 最後に

今回の改定は、単なる単価アップだけでなく、 頻回施術、同一建物での多数施術、明細書発行、申請書様式にも関わる内容です。 事業所の請求体制を早めに見直しておくことで、 返戻や患者説明の混乱を減らしやすくなります。

 

関連記事・参考リンク

 

⇒『「あはき療養費検討専門委員会」の議事録要約(2026年4月30日)

 

⇒『第38回(2026年4月30日)2026年あはき療養費改定案をやさしく解説 | 料金引き上げ・月16回半額

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