この記事では筋筋膜性頭痛の要因の一つである「大後頭神経の絞扼」について解説していく。
大後神経
大後頭神経(感覚神経)はC1/2椎間孔間から出て、上行する。
そして、後頭部の知覚の大部分の近くを担う。
従って、頭半棘筋・僧帽筋が過緊張となれば、大後頭神経が絞扼されて緊張性頭痛の原因となる可能性がある。
後頭神経の貫通部位
大後頭神経は C1/C2 椎間孔から出て、「後頭下三角の下縁」を作る下頭斜筋を支配したのち上行する(深層から順に下頭斜筋・頭半棘筋・僧帽筋の近傍を走行し頭皮に達する)。
この際に、大後頭神経は下頭斜筋・頭半棘筋・僧帽筋を貫通することがあり、その確率は以下の通り。
- 下頭斜筋は45%の確率で大後頭神経を貫通する。
- 頭半棘筋は90%の確率で大後頭神経を貫通する(=高率に貫通する)。
- 僧帽筋は 7.5%の確率で貫通する(=ほとんど貫通しない)。
過緊張が頭痛の原因に
前述したように頭半棘筋・下頭斜筋・僧帽筋は大後頭神経を貫通していることがある(頭半棘筋は、かなりの割合で貫通する)。
従って以下の機序で頭痛が生じる可能性がある。
- 頭半棘筋・下頭斜筋・僧帽筋の過緊張により大後頭神経が絞扼。
- 大高騰神経の知覚支配を受けている後頭部領域に頭痛が生じる。
従って、この筋が(あるいは下頭斜筋・僧帽筋も)過緊張になると、
従って、これらの筋群(特に頭半棘筋)をリリースすることで、後頭部の重怠さ・頭痛の解消につながる可能性がある。
ついでに後頭筋も緩めてあげよう
後頭前頭筋は以下から構成される。
- 後頭筋
- 帽状腱膜
- 前頭筋
でもって、後頭筋は帽状腱膜を介して表情筋としても作用する。
つまりは後頭筋の過緊張は表情筋にも作用するということだ。
従って、頭半棘筋を含めた後頸筋を緩める際に、後頭筋も緩めれば、帽状腱膜を介して前方の筋群(前頭筋など)へのリラックス効果も期待で来きる。
そのため、後頚部のリラックスを図るついでに(表情筋群をダイレクトにアプローチしても良いのだが)後頭筋へのアプローチも配慮して全身を整えてあげるのはおススメできる。