膝蓋骨圧迫テスト・クラークテスト【膝蓋大腿関節の検査】※動画あり

整形外科 - 徒手検査法(整形外科)

この記事では『膝蓋骨圧迫テスト』と『クラークテスト(Clarke's test)』について解説していく。

 

「膝蓋骨圧迫テスト」の方法・陽性所見・解釈

 

膝蓋骨テスト」の方法・陽性所見・解釈は以下の通り。

 

方法

  1. 患者は背臥位 or 長坐位。
  2. 検者は、膝蓋骨を腹側から背側へ「大腿骨の膝蓋大腿関節面へ押し付けるような」圧迫刺激を加える。
  3. その圧迫を維持しながら、頭尾側・内外側など様々な方向に「大腿骨関節面へ擦りつけるように」動かす。←規則的に動さなくとも、縦横無尽に動かして構わない。

膝関節(脛骨大腿関節)に伸展制限(屈曲拘縮など)が生じている場合、あるいは大腿四頭筋がリラックスできない場合は、膝下にクッションを敷いて軽度屈曲位にするなど工夫すると良い。

 

ただし、膝蓋大腿関節における膝蓋骨の可動性は、膝伸展位であれば大きいが、屈曲角度が深くなるほど小さくなる(で最終的には消失する)。従って、クッションで不必要に保高しすぎないこと。

 

自分自身の膝蓋大腿関節を「膝完全伸展位」と「膝90°屈曲位(極端な屈曲位)」で動かし、比較検討してみよう。前者では「頭尾側・内外側様々な方向に十分動く」が、後者では「全く動かせない」ということに気づくはず。

 

陽性所見

「摩擦音・疼痛・不快感など」が生じる。

 

解釈

テスト陽性では以下などが示唆される。

  • 膝蓋軟骨軟化症
  • 変形性膝関節症
  • 膝蓋骨周の炎症

 

クラークテストの方法・陽性所見・解釈

 

クラークテスト」の方法・陽性所見・解釈は以下の通り。

 

方法

  1. 検者は背臥位 or 長坐位。大腿四頭筋が完全弛緩していることを確認。
  2. 検者は膝蓋骨を(自身の手水かき部分を使って)頭側から尾側へ可動させた状態にする。
  3. その状態から患者に大腿四頭筋を収縮させる(パテラセッティングの要領)。

 

以下は、クラークテスト(Clarke's test)の動画になる。

 

テストにおける大腿四頭筋の収縮様式は「骨運動(脛骨大腿関節の屈伸運動)を伴わない収縮=等尺性収縮」なので、ピンとこない患者も多い。

声掛けの方法は(四頭筋収縮が得られていれば)何でも良いが、例えば「膝を伸ばすように力を入れて太ももを硬くしてみてください」などと(大腿四頭筋を触れながら)伝えると、四頭筋を硬くしてくれやすい(等尺性収縮を理解してもらいやすい)。

 

陽性所見

「摩擦音・疼痛・不快感など」が生じる(膝蓋骨圧迫テストと同様)。

症状が重度な場合、患者は疼痛のため大腿四頭筋を十分に収縮できないこともある。

 

解釈

テスト陽性では以下などが示唆される(膝蓋骨圧迫テストと同様)。

  • 膝蓋軟骨軟化症
  • 変形性膝関節症
  • 膝蓋骨周の炎症

 

関連記事

 

以下は「膝関節疾患」について言及した記事となるので、合わせて観覧すると理解が深まると思う。

⇒『【疾患まとめ】膝関節の疾患

 

以下の記事では、徒手整形外科的テストの一覧をまとめているので、合わせて観覧してみてほしい。

⇒『【まとめ】徒手整形外科的テストを整理しよう

関連記事
テキストのコピーはできません。