感染症の「種類(1~5類感染症)」と「感染様式」の一覧表を記載している。
感染症の「種類(1~5類感染症)
感染症は1~5種類に分類され、以下の通り。
1類
極めて危険性の高い感染症
2類
危険性の高い感染症
3類
集団発生の可能性
4類
動物(またはその死体)、飲食物、衣類、寝具、その他を介して健康へ影響。
既知の感染症だが、ヒト⇒ヒトの感染は無し。
5類
既知の感染症(4類を除く)。
ヒト⇒ヒト感染あり。
あくまで漠然としたイメージとしては以下になる(最初のとっかかりとして、こういうイメージを持っておくと良い)。
- 1類:日本にはない重篤な感染症
- 2類:日本にある重篤な感染症
- 3類:下痢・嘔吐を起こす感染症
- 4類:動物・植物などから起こる感染症(ヒトからは感染しない)
- 5類:特に特徴なし
感染症の種類の一覧表
感染症の種類(1~5類感染症)の一覧表は以下になる。
感染症名など | 性格 | 主な対応・措置 | |
1類感染症 |
1.エボラ出血熱 2.クリミア・コンゴ出血熱 4.南米出血熱 5.ペスト 6.マールブルグ病 7.ラツサ熱 |
感染力、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性がきわめて高い感染症 |
原則入院
消毒などの対物措置(例外的に、建物への措置、通行制限などの措置も適用対象とする) |
2類感染症 |
1.急性灰白髄炎(=ポリオ) 2.結核 3.ジフテリア 4.重症急性呼吸器症候群(SARS) 5.中東呼吸器症候群 6.鳥インフルエンザ(H5N1・N7N9) |
感染力、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が高い感染症 |
状況に応じて入院
消毒などの対物措置 |
3類感染症 |
1.コレラ 2.細菌性赤痢 3.腸管出血性大腸菌感染症(O-157) 4.腸チフス 5パラチフス |
感染力、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が高くないが、特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こしうる感染症 |
特定職種へ の就業制限
消毒などの対物措置 |
4類感染症 |
1.E型肝炎 2.A型肝炎 3.横熱 5.狂犬病 6.炭疽(たんそ) 7.鳥インフルエンザ(H5N1N・7N9を除く) 8.ボツリヌス症 9.マラリア 10.野兎病
補足:デング熱も4類 |
動物またはその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある 感染症(人から人への伝染はない) |
感染症発生状況の収集、分析と,その結果の公開・提供
消毒などの対物措置(動物の輸入禁止、輸入検疫) |
5類感染症 |
1.インフルエンザ(烏インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く) 2.ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) 3.クリブトスポリジウム症 4.後天性免疫不全症侯群 5.性器クラミジア感染症 6.梅毒 7.麻しん |
すでに知られている感染症の疾病(四類感染症を除く)で |
国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を一般国民や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止していく |
感染症の感染様式
感染症の感染様式は「直接感染」と「間接感染」に大別される。
感染様式 | 疾患 | |
直接感染 | 接触感染 | 梅毒、HIV感染、水虫・たむし(皮膚白癬) |
飛沫感染 | 風疹、インフルエンザ、ジフテリア、ムンプス | |
飛沫核感染 | 麻疹、水痘、結核 | |
創傷感染 | 破傷風、ガス壊疽 | |
経胎盤感染 |
HIV感染症、B型肝炎 先天異常⇒風疹、梅毒、ヘルペス、トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症、ジカ熱 |
|
産道感染 | 淋病、性病クラミジア、HIV感染症、B型肝炎、C型肝炎 | |
母乳感染 | 成人T細胞白血病(THLV-1)、HIV感染症 | |
間接感染 | 経口感染 | 赤痢、腸チフス、パラチフス、コレラ、A型肝炎、E型肝炎、ポリオ |
媒介動物による感染 |
蚊⇒マラリア、日本脳炎、黄熱、デング熱、ジカ熱 ダニ⇒ツツガムシ病、日本紅斑熱、SFTS(重症熱性血小板減少症候群) ノミ⇒ペスト、発疹熱 |
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