ビタミン欠乏まとめ

専門用語解説

この記事では以下のビタミン欠乏をまとめていく。

  • 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)
  • 水溶性ビタミン(B1・2・6・12・C・葉酸)

 

ビタミンA

ビタミンAは視細胞を作っているため、

欠乏すると『夜盲症』になる。

 

 

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲン合成に必要(つまり結合組織の合成に必須)。

また、ビタミンEと同様に抗酸化作用も有している。

ビタミンCの欠乏により『壊血病(血管がもろくなる病気)』『創傷治癒遅延』が起こる。

創傷治癒遅延として共通しているのは亜鉛欠乏である(亜鉛欠乏で味覚障害・傷治癒遅延が生じ、褥瘡治療としても重要視される)。

 

ビタミンC欠乏は(血管がもろくなることにより)出血傾向になるのだが、その他出血傾向に関わるモノを整理すると以下になる。

 

血液凝固因子欠乏:

・ビタミンK欠乏(VKは肝臓で血液凝固因子を作るのに必要)

・肝硬変(血液凝固因子欠乏)

・血友病(血液凝固因子欠乏)

 

血小板因性:

・播種性血管内凝固症候群(血小板の減少)

・血小板機能の低下(アスピリン:薬剤)

・白血病(血小板減少)

 

※これらは「血液凝固因子欠乏で生じる出血傾向はどれか」という形で出題されるので、整理しておく。

 

 

ビタミンD

ビタミンDは、欠乏すると

くる病』『骨軟化症』になる。

 

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用があるが、欠乏により何かが生じる訳ではない。

ちなみに、ビタミンCも抗酸化作用を有している。

 

ビタミンK

ビタミンKが不足すると『血液凝固因子合成障害』が起こる。

肝臓で血液凝固因子が合成されるのだが、この合成にビタミンKが必要となる。

そんなビタミンKは腸内細菌が合成しているのだが、例えばワルファリンという薬剤はビタミンKの合成阻害を目的としている(ビタミンKが合成されないため、結果的に血液凝固因子も合成されない)。

ワルファリン(=ワーファリン)による抗凝固作用:

ワーファリンの目的は血液が(血液凝固因子の合成阻害により)血液をサラサラにすることだ。これにより脳梗塞・心筋梗塞などを予防できる一方で、出血傾向(出血したら血が止まりにくくなる)ため注意が必要。

例えば、歯科などでは必ずワーファリンを服用していないか申告する必要がある(歯を抜くとき出血し、その血が止まらなくなるので)。

また、ワーファリンを服用しているものは(血液凝固因子の合成を助ける)ビタミンKの摂取は控えるよう指導される(例えば納豆など)。

 

ビタミンB1

末梢神経炎・脚気

 

ビタミンB2・6

ビタミンB2・B6は粘膜形成に寄与しており、不足すると『口角炎』が生じる。

 

ビタミンB12・葉酸

ビタミンB12や葉酸が不足すると、「DNA合成が阻害され、未熟な赤血球(巨赤芽球)ができてしまうこと」で貧血を起こす。

そして「ビタミンB12や葉酸の欠乏による貧血」を『巨血芽球性貧血』と呼ぶ。

ビタミンB12を身体に吸収するためには「胃の内因子」が必要なのだが、萎縮性胃炎や胃切除後などにより胃壁細胞が障害される(内因子が分泌されなくなる)ことでも生じる。胃切除後は、ビタミンB12補充は注射のみとなる。

巨血芽球性貧血の中でも胃粘膜が萎縮していたり、胃液の分泌が悪かったりすることが原因のものを『悪性貧血』と呼ぶ。

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