頭蓋骨の「各種名称」や「特徴」

専門用語解説

頭蓋骨の名称を「脳頭蓋」「顔面頭蓋」「縫合」について記載していく。

 

目次

閉じる

脳頭蓋について

 

前頭骨 前頭洞、前頭切痕、眼窩上孔、眉間、眼窩上縁
側頭骨 上矢状洞溝
後頭骨

大後頭孔、斜台、後頭顆、顆管、内後頭隆起、上項線、舌下神経管(Ⅶ、舌下N)、頸静脈孔(Ⅳ、舌咽N、Ⅴ、迷走N、Ⅵ、副N)、S状洞溝、横洞溝

側頭骨

頬骨突起、乳様突起茎状突起内耳孔(Ⅶ、顔面N、Ⅷ、内耳N)、外耳溝、頸動脈管鼓室顔面神経管(Ⅶ、顔面N)、茎状突起(Ⅶ、顔面N)、乳突蜂巣、下顎窩(Ⅶ、顔面N)

蝶形骨 蜂形骨洞翼状突起トルコ鞍、下垂体窩、視神経管(Ⅱ、視N)、上眼窩裂(Ⅲ、動眼N、Ⅳ、滑車N、Ⅴ-1、眼N、Ⅵ、外転N)、下眼窩裂、頸動脈溝、正円溝(Ⅴ-2、上顎N)、卵円溝(V-3、下顎N)、棘孔
篩骨 篩骨洞、篩板(Ⅰ、臭N)、垂直板、上鼻甲介、中鼻甲介、鶏冠

 

 

 

顔面頭蓋について

 

鼻骨 鼻根部を作る
涙骨 眼窩内側の前下隅
下鼻甲介 鼻腔の外側壁から鼻腔内に突き出す
上顎骨 上顎洞、眼窩下孔、前頭突起、頬骨突起、歯槽突起、口蓋突起
頬骨 側頭突起、頬骨弓
口蓋骨 水平板、垂直板
鋤骨 鼻中隔後下部を構成
下顎骨 下顎角、オトガイ孔、下顎頚、下顎枝、関節突起、筋突起、下顎管
舌骨 前頚部から触れる

 

 

縫合について

 

冠状縫合 前頭骨と頭頂骨
矢状縫合 左右の頭頂骨
ラムダ縫合 頭頂骨と後頭骨
鱗状縫合 頭頂骨と側頭骨

 

 

新生児の頭蓋(大泉門・小泉門など)について

 

 

新生児の頭蓋骨は周辺部が骨化せず、特に3つ以上の骨が会合する部分が線維性結合組織の膜性部で残り、これを泉門と呼ぶ。

 

泉門には以下がある。

 

名前 構成骨 閉じる時期
大泉門 前頭骨+頭頂骨 生後約2年で閉じる。
小泉門 頭頂骨+後頭骨 生後約3か月で閉じる。

前側頭泉門

(=蝶形骨頭泉門)

前頭骨+頭頂骨+側頭骨+蝶形骨 生後6か月~1年で閉じる。

後側頭泉門

(=乳突頭泉門)

頭頂骨+後頭骨+側頭骨 生後約1年~1年半で閉じる。

 

※泉門が閉じる時期は文献によって異なるが「大泉門が一番最後に閉じる」という点は一致している。

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