この記事では「股関節疾患」について解説していく。
変形性股関節症
変形性股関節症の分類
変形性股関節症は以下の2つに分類される。
一次性
- 原因がハッキリとしないもの。
- 欧米では50%を占める。
二次性
- (変形性股関節症を引き起こす)原疾患があるもの。
- 日本では二次性が多い。
原疾患としては以下が挙げられる。
・発育性股関節形成不全(変股症の90%)
・その他、ヘルペス病・外傷など
症状
変形性股関節症の症状は以下になる。
- 初期は股関節の運動後痛
↓
- 徐々に、運動開始時痛が起こり始める(変形性関節症独自の症状)
↓
- 安静時痛・運動時痛出現
有痛性の可動域制限出現
↓
- 変形が進むと関節破壊による関節可動域制限
残存する関節可動域を変える運動を強制されると激痛が生じる。
※このレベルで手術する人が多い。
↓
- 関節可動域が完全に消失(完全拘縮)すると疼痛消失するケースもある。
歩行としては以下が観察されることがある。
- 中殿筋弱化 ⇒トレンデレンブルグ徴候・ドゥシャンヌ徴候
- 疼痛 ⇒逃避性跛行などが出現する。
- 股関節屈曲拘縮⇒「腰椎前湾」や「立脚後期の股関節伸展不足」(=トーマステスト陽性)
治療
治療は「保存的治療」と「手術的治療」に分けられる。
保存的治療
- 減量(まずは3kg減を目標とするのがおススメ)
- 筋力増強訓練(股関節周囲筋を中心に)
- 温熱療法(ホットパックなど)
- マッサージ
荷重関節(特に股・膝関節)は「体重の数倍の負荷がかかる」と言われている。
仮に「体重の5倍負荷がかかっている」とした場合、3kg体重が増えると関節への負担は15倍に増える計算になる。
実際、股関節痛が増悪した際に問診してみると「体重が増えている」とのコメントが得られること多い。逆に股関節痛が軽減した場合は「体重が減っている」とのコメントが得られること多い。
手術的治療
- 人工股関節置換術(臼蓋・大腿骨頭ともに人工物にする)
- 人工骨頭置換術(大腿骨頭を人工物に変える)
股関節唇損傷
各部位疾患まとめ
以下の記事では、整形外科的疾患を部位一覧として記載している。
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