この記事では「医療倫理に関する各種宣言」として、以下について解説している。
医の倫理に関する宣言
- ヒポクラテスの誓い
- ジュネーブ宣言
- ヘルシンキ宣言
- リズボン宣言(=患者の権利宣言)
その他の宣言
- アルマ・アタ宣言
- オタワ憲章
医の倫理に関する宣言
医の倫理に関する宣言は以下に大別される。
- 医の倫理系
- 患者の権利系
具体的には以下の通り。
宣言 | 内容 | |
医の倫理系 | ヒポクラテスの誓い |
医師としての道徳。 ※紀元前4世紀ごろに世界で初めて医師の職業的倫理を明文化したもの。 |
ジュネーブ宣言 |
ジュネーブ宣言は1948年に採択された医師の倫理に関するもの。 ヒポクラテスの現代版。 患者の秘密保持。 |
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患者の権利系 | ニュルンベルグ綱領 |
ナチス実験の反省。 医学的実験において被験者の同意を始めて謳ったもの。 ※国試では出題されない可能性が高いが、この綱領が患者権利系の出発点なため記載。 |
ヘルシンキ宣言 |
ヘルシンキ宣言とは、人を対象とした医学研究の倫理について、1964年に世界医師会で採択されたもの。 ニュルンベルグ綱領に続く「患者の権利系」の宣言。 人におけるインフォームドコンセントの概念。 GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)に関与。 |
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リズボン宣言 |
リズボン宣言は1981年に採択された。 患者の権利保護。 医師を選ぶ権利・十分な説明を受ける権利。 尊厳死の権利。 |
その他の宣言
アルマ・アタ宣言
1978年、旧ソ連のカザフ共和国の首都アルマ・アタで開催された国際会議で、「西暦2000年までにすべての人に健康を」という目標を定め、そのための世界戦略として、プライマリー・ヘルスケアと言う理念を打ち出した。
オタワ憲章
1986年に開催された第1回ヘルスプロモーション国際会議で採択された憲章で、ヘルスプロモーションの定義や、基本戦略、ヘルスプロモーション活動の方法などについてまとめられたもの。
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プライマリーヘルスケア・ヘルスプロモーションの中身に関しては、以下の記事で解説しているので、合わせて観覧して理解を深めてほしい。
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