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ウィルスの特徴(細菌との違い)を解説 |  公衆衛生学・臨床医学各論

専門用語解説

この記事では、ウィルスと細菌の違いについて解説していく。

 

ウィルスと細菌の違い

 

ウィルスは非常に小さく、細菌の1/10の大きさである。

 

その他の「ウィルスと細菌の違」いは以下の通り。

 

  • ウィルスには細胞壁が無い。
  • 「細菌は自己増殖可能」だが、「ウィルスは自己増殖不可能」
  • ウィルスに角(つの)がある。

ウィルスには細胞壁が無い

 

ウィルスには細胞壁が存在せず、エンペロープと呼ばれる脂質の膜で覆われている。

 

そして、この「脂質で覆われている」という点から、ウィルス感染を予防目的の「手洗い」では単なる水洗いではなく、石鹸・エタノールの使用が重要な理由である。

 

石鹸

皆は「油でドロドロな食器の汚れ」を水洗いだけで除去できないことは容易に想像がつくのではないだろうか?

それと同様に、手に付着したウィルスを除去するためには「脂質を除去する成分が含まれている物質(例えば石鹸)」を使用する必要がある。

 

エタノール

エタノールは脂肪を溶かす作用がある。

つまり、ウィルスのエンペロープを溶かすことでウィルスを破壊することが可能となる。

 

エタノールは70%に薄めないと効果が無い:

エタノールは100%だと「ウィルスを破壊する前にエタノール成分が飛んでしまって」効果が少ない(ウィルスを破壊するためには、ある程度エタノールが付着してくれる必要がある)。

 

一方で、エタノールを70%未満に薄めてしまうと、ウィルスを破壊するのに不十分な濃度になってしまう。

 

これらのことから、エタノールは70%に薄めて使用する。

 

 

細菌は増殖可能だが、ウィルスは自己増殖不可能

 

細菌は遺伝子を有しているので、(宿主から栄養を取り入れることで)自己増殖が可能。

 

一方でウィルスは、遺伝子を持たないので自己増殖が出来ない。

 

従って「宿主のタンパク質を乗っ取ること」で増殖している。

※言い換えると、乗っ取られた宿主の細胞が、ウィルスを増やしている。

なので、鼻や喉の粘膜に付着したウィルスを除去するためにうがいは大切となる。

 

抗生物質は、ウィルスには効果なし:

抗生物質は、自己増殖能を有しているモノに効果がある。

従って、細菌には有効だが、ウィルスには効果が無い。

 

抗生物質の効果は「自己増殖の抑制」:

抗生物質は「細菌を殺している」ではなく、「増殖を防いでいる」が正解。増殖が抑制されれば、細菌の寿命は短いので、いずれ消滅してしまう。

抗生物質は人に無害で、細菌にのみ有害である必要がある。例えばペニシリンは細胞壁が増えるのを防ぐ効果があるため、(細胞壁を有さない)人間の細胞には無害だが、(細胞壁を有する)細菌には有害に働く。

 

 

ウィルスには角(つの)がある

 

ウィルスには角がある。

 

そして、この角が宿にし刺さって付着することで、増殖していく。

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