K・ボンネットテスト【梨状筋症候群のテスト】

整形外科 - 徒手検査法(整形外科)
K・ボンネットテスト【梨状筋症候群のテスト】

この記事では『K・ボンネットテスト』について解説していく。

 

目次

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K・ボンネットテストの方法・陽性所見・解釈

 

Kボンネットテストの方法・陽性所見・解釈となる。

 

方法

  1. 患者は背臥位。
  2. 検者は「検査側の股関節屈曲位(ただし90°未満)」として、一側手で膝外側を、反対手で足部外側を把持。
  3. 股関節屈曲角度を保持したまま、更に内転・内旋を加える。

 

陽性所見

検査側の殿部〜下肢に放散痛が生じる。

 

解釈

股関節を屈曲・内転・内旋させることで梨状筋を緊張させ、坐骨神経に圧迫ストレスを加えている。

検査陽性であれば、梨状筋を含めた股関節外旋筋に攣縮・短縮、その周囲に滑走障害を疑う。

 

3条件で精度が上がる

Fishmanは、梨状筋症候群位起因する臀部痛を以下3つのテストのうち2つ以上を満たすものを梨状筋症候群としている。

  1. 「側臥位のFAIR肢位(上側の股関節を屈曲内転させ、他動的に内旋を加えた肢位)」において、梨状筋と坐骨神経の交差部で疼痛が生じる。
  2. 同部位に圧痛を認める
  3. ラセーグテスト(SLRテストの変法)

 

梨状筋の作用特性

  1. 梨状筋は外旋作用を有している(なので、K・ボンネットテストでは内旋させて伸張刺激を加える)。
  2. 一方で、股関節屈曲角度が90°以上では作用が内旋に変化する(内旋刺激を加えても伸張されない)。
  3. 従って、K・ボンネットテストをする際は股関節60〜90°の範囲で実施すべきである。

 

K・ボンネットテストを治療にも活用しよう

 

「K・ボンネットテストの肢位」は、そのまま梨状筋のストレッチング(治療)としても活用できる。

 

ストレッチングの方法は以下の通り。

  • 「股関節屈曲90°以下の肢位」でのストレッチング⇒屈曲・内転・内旋
  • 「股関節屈曲90°以上の肢位」でのストレッチング⇒屈曲・内転・外旋

 

その他の筋短縮テスト

 

他の筋の「短縮テスト」としては以下などが挙げられる。

 

 

K・ボンネットレストの別名

 

K・ボンネットテストはFadirf test(ファダーフテスト)と呼ばれる。

 

Fadirf testとは以下の略である。

  • Flexion(屈曲)
  • Adcuction(内転)
  • Interna lrotation(内旋) 
  • Flextion(屈曲)

※上記はAKA博田法や関節ファシリテーション(FJF)で使用される用語だ。

 

一方で、以下の略語で表現される場合もある。

FAIR test(Flextion adduction internalrotation test)

 

ちなみに、パトリックテストはFabere test(ファベレテスト)とも呼ばれ、以下で解説している。

⇒『パトリックテスト(Fabere test)【股関節 or 仙腸関節の検査】

 

 

関連記事

 

以下は坐骨神経症状を伴う「腰椎椎間板ヘルニア」についても言及した記事となるので、合わせて観覧すると理解が深まると思う。

⇒『【疾患まとめ】腰部疾患+下肢の絞扼神経障害

 

以下の記事では、徒手整形外科的テストの一覧をまとめているので、合わせて観覧してみてほしい。

⇒『【まとめ】徒手整形外科的テストを整理しよう

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