この記事では『K・ボンネットテスト』について解説していく。
K・ボンネットテストの方法・陽性所見・解釈
Kボンネットテストの方法・陽性所見・解釈となる。
方法
- 患者は背臥位。
- 検者は「検査側の股関節屈曲位(ただし90°未満)」として、一側手で膝外側を、反対手で足部外側を把持。
- 股関節屈曲角度を保持したまま、更に内転・内旋を加える。
陽性所見
検査側の殿部〜下肢に放散痛が生じる。
解釈
股関節を屈曲・内転・内旋させることで梨状筋を緊張させ、坐骨神経に圧迫ストレスを加えている。
検査陽性であれば、梨状筋を含めた股関節外旋筋に攣縮・短縮、その周囲に滑走障害を疑う。
3条件で精度が上がる
Fishmanは、梨状筋症候群位起因する臀部痛を以下3つのテストのうち2つ以上を満たすものを梨状筋症候群としている。
- 「側臥位のFAIR肢位(上側の股関節を屈曲内転させ、他動的に内旋を加えた肢位)」において、梨状筋と坐骨神経の交差部で疼痛が生じる。
- 同部位に圧痛を認める
- ラセーグテスト(SLRテストの変法)
梨状筋の作用特性
- 梨状筋は外旋作用を有している(なので、K・ボンネットテストでは内旋させて伸張刺激を加える)。
- 一方で、股関節屈曲角度が90°以上では作用が内旋に変化する(内旋刺激を加えても伸張されない)。
- 従って、K・ボンネットテストをする際は股関節60〜90°の範囲で実施すべきである。
K・ボンネットテストを治療にも活用しよう
「K・ボンネットテストの肢位」は、そのまま梨状筋のストレッチング(治療)としても活用できる。
ストレッチングの方法は以下の通り。
- 「股関節屈曲90°以下の肢位」でのストレッチング⇒屈曲・内転・内旋
- 「股関節屈曲90°以上の肢位」でのストレッチング⇒屈曲・内転・外旋
その他の筋短縮テスト
他の筋の「短縮テスト」としては以下などが挙げられる。
K・ボンネットレストの別名
K・ボンネットテストはFadirf test(ファダーフテスト)と呼ばれる。
Fadirf testとは以下の略である。
- Flexion(屈曲)
- Adcuction(内転)
- Interna lrotation(内旋)
- Flextion(屈曲)
※上記はAKA博田法や関節ファシリテーション(FJF)で使用される用語だ。
一方で、以下の略語で表現される場合もある。
ちなみに、パトリックテストはFabere test(ファベレテスト)とも呼ばれ、以下で解説している。
⇒『パトリックテスト(Fabere test)【股関節 or 仙腸関節の検査】』
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