この記事では、『アイヒホッフテスト(英語:Eichhoff test)』と『フィンケルシュタインテスト(英語:Finkelstein test)』について違いも含めて記載していく。
フィンケルシュタインテストの方法・陽性所見・解釈
フィンケルシュタインテスト(Finkelstein test)の方法・陽性所見・解釈は以下の通り。
方法
- 検者が患者の母指を把持して、対側上肢で手関節を固定する。
- この状態にて、母指の屈曲(尺側内転)を誘導する。
所見
手関節背橈側部での疼痛増悪
解釈
母指の屈曲(尺側内転)により長母指外転筋・短母指伸筋が緊張する。
従って、上記筋の狭窄性腱鞘炎(de Queruvan腱鞘炎)の場合は陽性となる。
アイヒホッフテストの方法・所見・解釈
アイヒホッフテスト(Eichhoff test)の方法・所見・解釈は以下の通り。
方法
- 患者に母指を中に入れて拳を作らせる(母指MP屈曲・CM内転)。
- この状態で、手関節を尺屈するよう指示する。
所見・解釈
所見・解釈は、フィンケルシュタインテストと同様。
フィンケルシュタインテストとアイヒホッフテストの違い
各テストの違いは以下になる。
フィンケルシュタインテスト
・手関節を固定する(尺屈しないよう固定する)。
・検者が徒手的に母指を内転させる。
アイヒホッフテスト
・手関節は固定しない(尺屈を許す)。
・握りこぶしを作った状態(母指は内転位)の状態で尺屈する。
- いずれの検査でも長母指外転筋・短母指伸筋へ伸張刺激が加わる。
- フィンケルシュタインテストでは、長母指外転よりも短母指伸筋のほうが優位に緊張するとの文献あり。
- アイヒホッフテストよりフィンケルシュタインテストの方が特異度が高い(フィンケルシュタインテストの方が陽性⇒de Queruvan腱鞘炎な可能性が高い)
以下の記事では「ドゥケルバン(de Queruvan)腱鞘炎」も含めた「手関節・手部疾患」についてまとめた記事なので、ドゥケルバン腱鞘炎を知りたい方は合わせて観覧してみてほしい。
疾患鑑別
各テストが陽性となった場合でも、以下との鑑別は必要となる。
- 母指手根中手骨(CM)関節症
- リウマチ性関節炎
ちなみに、あん摩マッサージ指圧で「母指に負担がかかる方法」を続けていると、CM関節症を起こし、この検査が陽性となることもある。
母指に負担がかからない方法としては以下で解説しているので合わせて観覧してみてほしい。
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