この記事では『ホーキンステスト(Hawkins test)』について解説していく。
ホーキンステストの方法・陽性所見・解釈
ホーキンステストの方法・陽性所見・解釈は以下の通り。
方法
- 患者は座位 or 立位。
- 検者は、一側手で肩甲骨を固定し、反対手で上腕骨遠部(or前腕近位部)を把持して「①90°屈曲位または②90°外転位」にする＝これがスタートポジション(①は2nd肢位・②は3rd肢位をイメージ)。
- 上記肢位から、他動的に内旋を矯正する。
以下はホーキンステストの動画となる。
ホーキンステストは文献によってスタートポジションが「90°外転位」「90°屈曲位」と異なるが、どちらも正しい(90°屈曲位と記載されている文献が多い)。
陽性所見
肩関節痛が再現される。
解釈
肩峰下インピンジメント症状・腱板損傷のを疑う。
ニアーテストにより大結節と腱板が(軟部組織を介して)烏口肩峰アーチに押し付けられる。
注意点
ホーキンステストで他動的に機械的ストレスを加える前に、自動運動検査を行う。
※自動運動で強い痛みが認められる症例に対して、無理にストレスを加える必要はない。
肩峰下インピンジメントのテスト
肩峰下インピンジメントが疑われる場合は、以下なども併用し精査していく。
- ペインフルアークサイン
- ドロップアームテスト
- ニアーテスト
- ホーキンステスト
臨床上有用な手順
各テストを闇雲に併用するよりは効率よく実施したほうが有益だしダラダラと評価に使う時間を短くできる。
個人的には以下の手順で実施することで臨床推論として役立てている。
つまりは自動運動→抵抗運動 or 他動運動の順に施行していく(ドロップアームテストは必要に応じて実施)。
リスク管理として、「自動運動」が一番患者の恐怖感が少なく、次に実施する抵抗運動・他動運動時における加減の参考にもなるので、最初にペインフルアークサインの確認(＋主訴とする動作)の確認を行う。
棘上筋テストは抵抗運動の挙上角度を変えることで、筋損傷 or インピンジメントのどちらの影響が強いかの推論に役立つ。
関連記事→『棘上筋テスト(エンプティカンテスト・フルカンテスト) 』
『ホーキンステスト・ニアーテスト』は肩鎖関節機能障害でも陽性になるため、疼痛部位の確認・試験的治療の反応も確認する。
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以下は肩関節疾患ついて言及した記事となるので、合わせて観覧すると理解が深まると思う。
⇒『【疾患まとめ】肩関節疾患』
以下の記事では、徒手整形外科的テストの一覧をまとめているので、合わせて観覧してみてほしい。