この記事では「心拍数と心拍出量の関係」について記載していく。
正常な心拍数と心拍出量について
脈拍数
成人の安静心拍数は60~80回/分である。
※心拍数は、小児で多く高齢者で少なくなる。
※100回/分以上を頻脈、50回/分未満を徐脈という。
心拍出量
心臓が1回の収縮で送り出す血液の量=1回拍出量は約70mℓ。
である。
従って、心拍数が平均で70回/分とすると、1分間に送り出す血液の量=心拍出量は、70mℓ×70=4900ml≒約5ℓになる。
心拍出量は、心拍数と1回拍出量(心臓の収縮力)によって増減する。
心拍数と心拍出量の調整
ここから先は、心拍出量に影響を与える要素として以下について解説していく。
- 自律神経
- 循環血液量
自律神経
心臓の働きは自律神経系(交感神経・副交感神経)によって調整されている。
交感神経と副交感神経はいずれも絶えず活動しているが、平常時は副交感神経の働きのほうが優位だ。
そこに食事や運動、精神的な興奮やストレスなどがあると、交感神経が興奮し、心臓の働きを促進する。
また、大動脈弓と頸動脈洞にある圧受容器が血圧の変化を感知すると、その情報が延髄に送られ、主に交感神経の働きを調整する。
交感神経は、血圧が低下すると興奮し、血圧が上昇すると抑制される。
循環血液量
循環血液量や静脈から心臓に戻る血液量(静脈還流量)の変化も、心拍出量を変化させる。
例えば運動をして骨格筋のポンプ作用で静脈還流量が増えると、心拍出量が増加し、出血によって循環血液量が減ると心拍出量が減少する。
これらをイラストにすると以下な感じになる。