「女性の性内器」を徹底解説 | 解剖・生理

専門用語解説

この記事では「女性の性内器」の解剖・生理学について「メチャクチャかみ砕いて」解説している。

鍼灸あん摩マッサージ指圧学校の授業を受けても理解し辛い方は、この記事も合わせて観覧してもらい、理解を深めてもらいたい。

 

目次

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女性の性内器の解剖

 

子宮と他器官の位置関係はになる。

  • 前には膀胱が存在。
  • 後方には直腸が存在。

妊娠すると頻尿となるのは、膀胱が圧迫されることが原因だ。また、子宮内膜症などで直腸と癒着すると、排便痛が起こることもある。

 

子宮

胎児を育てる部屋のこと。

 

卵巣

卵巣は「卵の製造工場」である。

卵巣は卵を作るだけでなく、以下の女性ホルモンを分泌している。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

これらホルモンの働きにより、子宮が妊娠の準備をしたり、妊娠を継続させたり出来る。

 

卵巣の位置関係

卵巣は子宮の左右にぶら下がっている。

そして、以下の順で妊娠・月経が起こる。

  1. 卵巣から卵子が飛び出す(=排卵)と、卵管采(らんかんさい)が卵子をキャッチして卵管の中に入る。
  2. 卵管から子宮までの間に卵子が精子と出会って受精卵になると、子宮内に着床して妊娠が成立する。
  3. 一方で妊娠が成立しなかった場合は、肥厚した子宮内膜(=赤ちゃんのベッドのようなもの)が剥がれ落ちる(=これを月経と呼ぶ)

月経について:

思春期となり、女性ホルモンが分泌されると、一定のサイクルで卵子が成熟し、排卵される。

卵子は子宮に移動するが、受精がかなわないと、子宮に準備された赤ちゃんのベッド(=子宮内膜)とともに、膣から排出される。これが月経である。

 

 

妊娠から出産までの復習

女性が妊娠するためには、卵子と精子が出会って受精しなくてはならない。

  1. まず卵巣に入っている卵胞の中から成熟した卵子がはじき出され、卵管采がキャッチして卵管に入ると、卵管膨大部というところでしばらく精子を待っている。
  2. 精子は射精によって膣から女性の体内に入ると、子宮内を通って卵管に入っていく。
  3. 晴れて受精した受精卵は子宮へ運ばれ、子宮内膜に潜り込んで着床する。
  4. その日から子宮内膜ですくすく育ち、40週間ほどすると陣痛が起こり、赤ちゃんが産道を通って外に出てくる。

 

エストロゲンとプロゲステロン

 

女性ホルモンには以下の2種類が存在する。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

 

でもって、それぞれの役割は以下の通り。

 

エストロゲン(卵胞ホルモン)

 

エストロゲンは卵胞を成熟させ、排卵を促す働きがある。

 

それ以外としては、女性らしい体を作る・肌の潤いをもたらす・髪を艶やかに保つなどの役割も存在する。

また、骨や血管を丈夫にし、メンタル面では脳内の神経伝達物質を増加させることで脳を活性化してくれる。

 

つまりは美容と健康に欠かせないだけでなく、認知面にも作用するホルモンと言える。

 

 

プロゲステロン(黄体ホルモン)

 

プロゲステロンの主な働きとしては以下がある。

  • 子宮内膜を着床しやすくする。
  • 妊娠を維持する。
  • 基礎体温を上昇させる。

 

また、プロゲステロンとエストロゲンが同時に大量に出ると、(受精卵の着床に備えて子宮内膜を整える以外には)食欲増進、ニキビや肌荒れの原因、肩こり、便秘、腹痛、イライラや精神不安定を引き起こすといった、嬉しくない症状も出てくる。

 

つまりは、ホルモンが多ければ多いほど良いという訳ではなく、多いと月経痛が重くなるとか、子宮内膜症や子宮筋腫など女性特有の病気のリスクが上がると言われている。

 

 

「エストロゲン・プロゲステロンの作用」一覧

 

ここまで記載してきたエストロゲン・プロゲステロンの作用をまとめた一覧表が以下になる。

 

エストロゲン(卵胞ホルモン) プロゲステロン(黄体ホルモン)
  • 排卵を促す
  • 子宮内膜を厚くする

 

  • 女性らしい体を作る
  • 肌や髪を美しくする
  • 動脈硬化を予防
  • 骨を丈夫にする
  • 精神を安定させ、活動的に

 

分泌過多:

  • 子宮内膜症や子宮筋腫などの女性特有の病気に関連。
  • 子宮内膜を着床しやすくする
  • 妊娠を維持する
  • 基礎体温を上昇させる

 

エストロゲンと同時に分泌された場合:

  • 食欲増進
  • むくみやすい
  • ニキビ・肌荒れ
  • 便秘・肩こり・頭痛・腹痛
  • 月経過多などを起こす

 

女性ホルモンと病気について、各年齢別に解説

 

前述したように、女性の体は女性ホルモンの影響を強く受ける。

そして、子宮筋腫や子宮内膜症は女性ホルモンの旺盛な性成熟期に多い病気で、閉経とともに発症しなくなる。

月経随伴症状(月経困難症など)もホルモンの分泌が続く限り継続すると考えられる。

 

一方、子宮体癌や乳癌は女性ホルモンが低下する更年期以降に増えてくる病気である。

また、女性ホルモンとは無関係だが、性感染症や子宮頸がんの原因ウイルスはセックスによって感染する。そのため、若い人でも高齢であっても、性交渉がある場合は注意が必要。

 

また老年期になり、女性ホルモンが低下することで骨粗鬆症になったり、泌尿器や生殖器の萎縮症状が現れたりすることもある。

 

 

40代以降に注意すべき病気を深堀解説

 

前述してように、女性ホルモンのエストロゲンは卵巣以外にも骨や血管などにも影響を及ぼす。

閉経までは、女性の体の臓器や組織の多くがエストロゲンで守られているが、閉経後にエストロゲンが減少することで、その恩恵が受けられなくなってしまう。

 

エストロゲンを始めとする女性ホルモンに守られなくなった体は、様々な不具合を起こしやすくなる。

婦人科系の病気だけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、「体質的に弱い部分」や「遺伝的に弱い部分」にも表れる。

そのため、骨粗鬆症や狭心症、心筋梗塞などのほか、歯周病や眼科疾患、各主眼、認知症などにも注意が必要となる。

 

 

これらの対策として以下が重要となってくる。

  • 定期的な検診
  • 食生活に気を配る
  • 適度な運動
  • 趣味を楽しむ
  • 体に支障がある場合はキチンと病院で治療する。
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