【東洋医学】瀉血(しゃけつ)にまつわるエピソード

専門用語解説

瀉血(しゃけつ)』とは以下を指す。

 

人為的に出血させること(により治療を試みること)

 

中世から近代にかけて、欧米ではいろいろな病気に瀉血(しゃけつ)、人為的に出血させる治療法がおこなわれていた。

 

かの医聖ヒポクラテスの、「病気は体液の乱れによって生じる」という考え方に基づいたもので、17世紀に血液が循環することを発見したウィリァム・ハーヴェイでさえ、瀉血の積極的な信奉者だったとされている。

 

まともな治療法がなかった時代とはいえ、どう考えても大間違いの治療法であったことは間違いない。

 

瀉血療法のためにいろいろな道具が開発され、ゆっくりと血を抜いていったようだが、もともと病気の人にやるのだから、ほとんどの場合は悪影響しか与えなかったと考えられる。

 

 

ちなみに、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンも亡くなる寸前に瀉血療法をうけていたとされている。

 

喉の感染に対して行われたのですが、10時間かけて4リットル近くも血を抜かれたらしい。

 

時間をかけてとはいえ相当な量で(ワシントンは身長が190センチ近くもあったとされているが)少なく見つもっても総血液量の半分は瀉血されたと思われる。

 

※直接死因ははっきりしていないようですが、出血性ショックの可能性が高いでしょう。

 

瀉血の反対が『輸血』であり、輸血が取り入れられたのは、20世紀の初めころからだと言われている。

関連記事