この記事では「記憶の種類」と「記憶の形成」について解説していく。
記憶の種類
記憶とは、単に物事を覚えるだけではなく、必要に応じてそれを取り出す機能だ。
記憶は以下の2つに分けられる。
- 陳述記憶(エピソード記憶と意味記憶)
- 手続き記憶
でもって陳述記憶は、以下の2つに分類される。
- エピソード記憶
- 意味記憶
エピソード記憶
エピソード記憶は、自分の個人的な体験や日々の出来事に対する記憶のことを指す。
※出来事記憶とも呼ばれる。
意味記憶
意味記憶は、言葉の意味や物の名詞などの記憶を指す。
手続き記憶
手続き記憶は、体で覚えている行動や技能のことを指す。
例えば、自転車に乗る、スポーツをすることがこれに該当する。
短期記憶と長期記憶
記憶には、見聞きしたり体験したことを数分から数時間程度で覚えている短期記憶と、時間が経っても思い出せる長期記憶がある。
短期記憶はそのままでは忘れてしまうが、それが反復されたり、他の記憶と結びついたりすると、長期記憶として登録されると考えられている。
この働きには大脳辺縁系の海馬が関わっており、
新しい情報はまず海馬に入って整理され、
そこに同じ情報が繰り返し入ってくると、
それは重要な情報だと判断され、
長期記憶として大脳皮質に転送され保存される。
くり返し想起することの重要性
短期記憶ではなく、長期記憶として定着させたい場合は「何度も繰り返し記憶を想起する」を繰り返すのが効果的である。
例えば、会話の頻度が少なければ(くり返し記憶が想起されていないため)徐々に語彙力が低下してくる。
そして久々に語彙を表出する際「なんて表現するんだっけ?」「頭には思い浮かんでいる単語が思い出せない」ということに繋がる。
身に着けた運動の技能は長期記憶
記憶の種類として「エピソード記憶」を前述したが、身に着けたスキルは長期記憶となる。
例えば「自転車に乗る」「縄跳び」「水泳」といった運動は、一度スキルを身に着けてしまえば、数年ぶりに再会したとしても比較的問題なく行える。
これらの運動は前述した表に手続き記憶だが、記憶の形成に関していえば長期記憶で、完全に忘れることは無い。
もちろん、ブランクがあまりに長いと、(長期記憶と言えども忘れてしまう割合が増え)思ったほどうまくできないこともある。
ただし、それは加齢や運動不足による筋力低下や、骨格筋と神経系のネットワークの衰えなど複雑な要素が絡んでくる。