トーマステスト【股関節の検査】

整形外科 - 徒手検査法(整形外科)

この記事では『トーマステスト(Tomas test)』について解説していく。

 

トーマステストの方法・陽性所見・解釈

 

トーマステストの方法・陽性所見・解釈は以下の通り。

 

方法

トーマステストの具体的な方法は以下の通り。

  1. 患者は背臥位で、骨盤後傾+腰椎フラットにするために、健側の下肢を屈曲位(両手で膝を抱える)とする。
  2. 療法士は、患者の患側下肢(下腿)を把持してベッドからゆっくりと降ろしていく。
    ※ベッドから降ろす(足を垂らす)ので、あらかじめベッドの尾側へ寄っておいてもらう必要がある。
  3. ベッドから降ろした際に、患側の大腿部がベッドから浮いている(股関節が屈曲したまま)のであれば、トーマステスト陽性と判断。

 

以下はトーマステストの動画となる。

※動画のように、「評価側下肢をベッドから垂らしておく方法」の方が、浮き上がりがチェックしやすいのでおススメ。

 

 

動画の「30秒~の場面」では陰性となっているが、「2分~の場面」では陽性になっており、その違いは健側(右側)股関節を十分屈曲して骨盤後傾出来ているかの違いである。

 

患者だけでエンドレンジまで股関節屈曲しようと思うとパワーが必要なこともあるので「動画2分~の場面」のように療法士が少し屈曲をアシストしてあげると良い。

 

陽性所見

検査側の大腿部が浮いてくる。

 

解釈

非検査側の股関節を屈曲して「腰椎の生理的前湾を取り除くこと」により以下が起こる。

骨盤後傾が起こり、相対的に検査側股関節が(正常であれば)伸展する。

 

しかし、「股関節屈曲拘縮」や「股関節屈筋群の短縮」が生じている場合は「股関節伸展が起きない(=ベッドから大腿が浮いてくる)」という現象が起こる。

 

 

治療の客観的評価

トーマステスト陽性であれば(大腿が浮いてくるため)「ベッドと膝の間」に隙間ができる。

従って「ベッド⇔膝間距離」を測定しておけば、その後の治療効果に活用することが出来る(2横指分の隙間がある・○○cmの距離がある・・など)。

 

 

トーマステストを治療としても活用しよう

 

トーマステストの肢位は、そのまま腸腰筋(や股関節屈曲拘縮)のストレッチング(治療)としても活用できる。

 

その他の筋短縮テスト

 

他の筋の「短縮テスト」としては以下などが挙げられる。

 

関連記事

 

以下は股関節疾患についても言及した記事となるので、合わせて観覧すると理解が深まると思う。

⇒『【疾患まとめ】股関節の疾患

 

以下の記事では、徒手整形外科的テストの一覧をまとめているので、合わせて観覧してみてほしい。

⇒『【まとめ】徒手整形外科的テストを整理しよう

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