膝蓋跳動テスト【膝関節疾患の検査】

整形外科 - 徒手検査法(整形外科)

この記事では『膝蓋跳動テスト(ballottement of patella test)』について解説していく。

 

膝蓋跳動テストの方法・陽性所見・解釈

 

膝蓋跳動テストの方法・陽性所見・解釈は以下になる。

 

方法

  1. 患者は、臥位or長座位で膝伸展位とする。
  2. 一側手(頭側手)で水腫を膝蓋骨方向へ寄せ集め、反対手(尾側手)で膝蓋骨が動くか評価。
膝伸展制限がある場合、膝下にクッションなどを敷き良肢位=安楽な肢位を採用する。ただし、伸展位であるほど膝蓋跳動が評価しやすいため、不要な膝屈曲はしないこと。

動画としては以下を参照。

 

 

陽性所見

水腫があれば膝蓋骨がぷかぷか浮いているので、よく動く。

 

解釈

関節内に水腫や血腫などの貯留物が存在する

 

関節貯留物が疼痛を誘発させる機序

 

関節内貯留物が疼痛を誘発させる機序は以下の通り。

  1. 膝関節を包んでいる関節包の内側には滑膜が存在し、滑液を分泌・吸収する役割を担っていると同時に、豊富な神経線維が分布し関節の受容器となっている。
  2. 炎症が起こると(発赤・熱感・疼痛+)腫脹により関節内の組織圧が上昇するとともに、放出される化学伝達物質が「痛み受容器」を刺激することで疼痛が増強する。

 

 

関連記事

 

以下は(炎症が起こると関節水腫が生じやすい)変形性膝関節症についても言及した記事となるので、合わせて観覧すると理解が深まると思う。

⇒『【疾患まとめ】膝関節の疾患

 

以下の記事では、徒手整形外科的テストの一覧をまとめているので、合わせて観覧してみてほしい。

⇒『【まとめ】徒手整形外科的テストを整理しよう

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