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【感染対策の基礎知識】病原体・感染経路・感受性宿主って何だ?違いを解説!

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【感染対策の基礎知識】病原体・感染経路・感受性宿主って何だ?違いを解説!

この記事では感染対策の基礎知識として「病原体」・「感染経路」・「感受性宿主」の違いについて解説している。

 

各々への対策についても記載しているので、整理してみて欲しい。

 

目次

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病原体・感染経路・感受性宿主って何だ?

 

感染症が発生(感染が成立)するには以下が必要となる。

  • その原因となる病原体の存在
  • 病原体が宿主に入り込むための感染経路
  • 病原体が入り込んだ宿主の感受性

 

そして、上記の「病原体」・「感染経路」・「感受性宿主」の3つを『感染成立のための3大要因』という。

 

逆に言うと、上記に対する対策をすれば感染は成立しない(=感染が予防できる)。

 

ここから先は、病原体・感染経路・感受性宿主について、具体例も含めて個別に解説していく。

 

病原体

 

病原体とは「感染症の原因となるもの」である。

 

病原体が存在している身体部位としては以下などが挙げられる。

  1. 血液などの体液(汗を除く)
  2. 粘膜面(目・口腔粘膜・鼻腔粘膜など)
  3. 正常でない皮膚 (傷がある皮膚・発疹のある皮膚・発赤のある皮膚・やけどのある皮膚など)
  4. 上記に触れた手指

 

あるいは「感染症患者の血液などの病原体を含むもの」や「病原体で汚染された環境」も『感染の原因となるもの』に該当する。

 

病原体への対策

 

病原体対策としては、消毒(病原体の除去)が重要となる。

 

例えば、前述した「感染症患者の血液などの病原体を含むもの」や「病原体で汚染された環境」について徹底的に消毒することは『病原体への対策』に該当する。

もう少し具体例を言えば「ノロウィルス感染患者が嘔吐した床に対して、ハイター消毒を行う」というのは感染源対策である。

 

 

上記は「病原体対策」としてイメージしやすい内容だが、ここから先は「感染経路対策」と間違いやすい点について解説していく。

 

手指消毒について

前述したように、消毒は「病原体対策」の基本である。

しかし、手指消毒は「誰が消毒するのか」によって解釈が違ってしまい以下の通り。

  • 感染者 の手指消毒⇒病原体対策
  • 非感染者の手指消毒⇒感染経路対策

 

例えば、「病院スタッフが頻回に手洗いする」や「帰宅したら手洗い・うがいをする」などにおける「手指消毒」は、(病原体対策ではなく)感染経路対策に該当する。

 

 

マスクについて

手指消毒と同様な発想により「マスクの着用」も誰が着用するかによって解釈が異なってくる。

具体的には以下の通り。

  • 非患者がマスクを使用する場合⇒感染経路対策
  • 感染者がマスクを使用する場合⇒感染源対策

 

「マスクは、感染者が着床すればするからこそ感染防止できるが、非感染者が着用しても意味がない」などと言う人がいる。

それが正しいかどうかは別として、上記は「マスクは感染源対策としては有効に働くが、感染経路対策としては機能しにくい」と言い換えることが出来る。

 

 

感染経路

 

感染経路とは、文字通り「感染が生じる経路のこと」であり、主な感染経路は以下の3つ。

  • 空気感染(結核麻疹水痘 +コロナウィルス??)
  • 飛沫感染
  • 接触感染

 

でもって病院・施設などにおける感染経路対策としては以下が重要となってくる。

  • 病原体を持ち込まないこと
  • 病原体を持ち出さないこと
  • 病原体を拡げないこと

 

病原体を持ち込まないこと

外部から施設に病原体を持ち込まないことは重要である。

病原体を持ち込ませないことは重要となるため、コロナ騒動が起こった際は、入院・施設患者の面会不可(or時間制限を設ける)や、業者(訪問マッサージや商品営業など)が入ることが禁止されたりした。

 

病原体を持ち出さないこと

例えば病院・施設で考えると、「勤務スタッフが、自宅に病原菌を持ち帰らないこと」は大切となる。

 

病原体を拡げないこと

例えば病院・施設で考えると、結核やMRSAなどを有した患者の場合「他患者と隔離すること」は重要となる。

注意点は感染症の「患者のサーベイランス(監視)」は(感染経路対策ではなく)感染源対策だと言われている点は混乱しやすいので整理して覚えておこう。

 

 

感受性宿主

 

感受性宿主とは「感染症に対する罹患のしやすさ」を指す。

 

従って、対策は「身体の抵抗力を高めること」であり、具体的には以下などが挙げられる。

  • 運動栄養休養による健康増進
  • 予防接種

 

栄養バランスがとれた食事、栄養バランスがとれた食事、規則正しい生活習慣、適度な運動、予防接種などにより身体の抵抗力を高めることが重要となる。

 

病院・施設においては、職員自身が病原体を拡げないよう日頃から健康管理に心がけることが大切となる。

 

あるいは「高齢者」・「基礎疾患を有した患者」などの『易感染性な人達』には、他の人以上に十分な配慮が必要となってくる。

 

また「予防接種」が国家試験の選択肢として出ることがあるが、これは「感受性宿主対策」なので覚えておこう。

 

 

感染対策まとめ + スタンダード・プリコーション

 

この記事に記載してきたように、感染対策としては以下の3つが重要となる。

  • 病原体(感染源)の排除
  • 感染経路の遮断(空気感染・飛沫感染・接触感染)
  • 宿主の抵抗力の向上

 

そして、上記を実行していくためには以下を徹底していくことが重要となってくる。

  • 標準予防策(=スタンダード・プリコーション
  • 感染経路別予防策(各種感染経路によって対策は異なる)

 

 

標準予防策(スタンダード・プリコーション)とは

 

最後に標準予防対策(スタンダードプリコーション)について記載して終わりにする。

 

血液などの体液・嘔吐物・糞便等には感染性の病原体が含まれていることが多く、これらに接する際は以下などの感染予防が基本となる。

  • 素手で扱うことを避け手袋をすること
  • 必要に応じてマスクやゴーグルをつけること
  • その際に出たごみも感染性があるものとして注意して扱うこと
  • 手袋を外した後は手洗いを丁寧に行うこと

 

そして「接する利用者の感染症の有無に関わらず、分泌物、排泄物、傷のある皮膚や粘膜はすべて感染源とみなして予防策をとること」を標準予防策standard precautions:スタンダード・プリコーションと呼ぶ。

 

 

関連問題

 

⇒『感染症の予防について感染経路対策はどれか(29回)

⇒『感染症流行での感受性対策はどれか(15回)

⇒『感染症流行で疫学の3大要因でないのはどれか(14回)

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