「球麻痺」・「仮性球麻痺」って何だ?(+違い)

専門用語解説

この記事では球麻痺仮性球麻痺に関して、違いも含めて解説している。

一覧表も活用しているので、違いを理解しやすいと思う。

 

球麻痺と仮性球麻痺(+違い)

 

嚥下障害は「食物・唾液・水分が飲み込みにくい状態」であり、球麻痺・仮性球麻痺共に「嚥下障害」は特徴的な症状の一つである。

でもって、嚥下は脳神経では「舌咽神経」「迷走神経」「舌下神経」が関与している。

 

球麻痺とは

球麻痺とは以下を指す。

球麻痺の「球」は延髄のことを指し、球麻痺とは「延髄に存在する運動神経核と舌咽神経・迷走神経・舌下神経の障害により構音障害・嚥下障害・舌の麻痺が起こるもの」を指す。

 

仮性球麻痺とは

仮性球麻痺とは以下を指す。

大脳半球に両側性の病変が存在し、皮質延髄路が障害され「延髄そのものには障害が無いのに構音障害や嚥下障害が起こるもの」を指す。

仮性球麻痺では、下顎反射は亢進し、強迫笑や強迫泣が起こる。

 

 

一覧表

以下は、球麻痺と仮性球麻痺の違いを表にしたものである。

 

  球麻痺 仮性球麻痺
構音障害
嚥下障害
舌の萎縮
舌の線維束性収縮
嗄声
声帯の麻痺
情動失禁

仮性球麻痺の特徴

下顎反射の亢進

仮性球麻痺の特徴

障害部位

延髄

(延髄に障害が起こっているのが球麻痺)

両側の皮質延髄路

 

 

関連過去問

 

球麻痺に関連した過去問としては以下などが挙げられる。

⇒『球麻痺の原因となる病巣はどれか(鍼灸27回)

⇒『球麻痺でみられるのはどれか(鍼灸27回)

⇒『脳卒中の左大脳半球損傷でよくみられる障害はどれか(鍼灸23回)

⇒『脳卒中の嚥下障害で正しいのはどれか(25回)』

⇒『細菌性食中毒で球麻痺症状を起こすのはどれか(15回)

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