この記事では、全身の動脈に関してイラスト紹介している。
イラストを活用して、全身の動脈走行の順序を(ザックリとで良いので)把握してみてほしい。
全身の動脈まとめ
全身の動脈は、心臓からスタートして、以下のように全身をめぐっている。
まずは「頭部」「上肢」「体幹⇒下肢」の3パートに分けて少しづつ覚えていくことをおススメする。
心臓ー上行大動脈ー大動脈弓ー下降大動脈
心臓からの血液は、上行大動脈へ拍出されるが、この際に最も近位で分岐するのは冠状動脈(腎臓の栄養血管)である。
大動脈弓では以下の順に分岐する。
- 腕頭動脈(右総頚動脈)
- 左総頚動脈(右鎖骨下動脈)
- 左椎骨動脈
- 左鎖骨下動脈
胸大動脈から、気管支動脈・食道動脈・肋間動脈が分岐する。
胸大動脈はT12のの高さで横隔膜の大動脈裂孔を貫き、腹大動脈となる。
横隔膜に存在する裂孔・組織は以下になる。
・大動脈裂孔:T12の高さにあり、下大動脈(胸+腹大動脈)、奇静脈、胸管などが貫く。
・食道裂孔:T10の高さにあり、食道・迷走神経が貫く。
・大静脈孔:T8の高さにあり、下大静脈が貫く。
その他のポイント
- 内包に分布するのは中大脳動脈である
- 椎骨動脈は頸椎横突孔(C1-6)を通る。←C7横突孔は通らない。
- 鼡径靭帯の血管裂孔は、内側から「リンパ管・大腿静脈・大腿静脈」の順に並んで通る。ちなみに血管裂孔の外側には筋裂孔が存在し「腸腰筋・大腿神経・外側大腿皮神経」が通る。
- 大腿三角(スカルパ三角)は、内側から「大腿静脈・大腿動脈・大腿神経」の順に並んで通る。
- 内転筋腱裂孔(内転筋管の出口)からは「大腿動脈・大腿静脈・伏在神経(大腿神経の皮枝)」が通る。
- 肩甲回旋動脈は内側腋窩隙を通る。詳しくは「(イラスト付き)内・外側腋窩隙、上腕三頭筋裂孔を紹介」を参照。
- 尺骨動脈はギョン管を通る。ギョン管は「尺骨動脈・尺骨神経が通る管」であり「手根管を通らない動脈・神経はどれか」という具合に出題されることが多い。
触診できる動脈一覧
脈拍が触れる動脈は以下となる。
- 顔面動脈(下顎の下縁)
- 浅側頭動脈(外耳孔の前)
- 後頭動脈
- 総頚動脈(頸動脈三角)
- 鎖骨下動脈(鎖骨上顆)
- 腋窩動脈
- 上腕動脈(上腕二頭筋内側)
- 橈骨動脈(橈骨下端内側)
- 大腿動脈
- 膝窩動脈(膝窩部)
- 後脛骨動脈(内果の後方:足根管)
- 足背動脈(足背部)
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