肺循環と体循環

専門用語解説

この記事では「肺循環」「体循環」について解説していく。

 

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「肺循環」「体循環」

 

全身の血管系は肺循環(小循環)と体循環(大循環)に大別される。

 

肺循環(小循環)

右心室から始まる肺循環(右心系)は、酸素消費されて全身から戻ってきた血液(静脈血)を肺に送り、新たに酸素を取り込むための経路をなす。

 

体循環(大循環)

体循環は酸素に富む血液(動脈血)を送る経路で、左心室から肺を除く全身に向かうため、左心系ともよばれる。

 

血液循環系は肺を巡って呼吸にあずかる肺循環と、全身に酸素や栄養を分配する体循環とに大別される。
 

肺循環のイラスト

 

肺循環は以下の「青色(⇒肺動脈・二酸化炭素多い)」と「赤色(⇒肺静脈・酸素多い)」で示している部分を指す。

体循環のイラスト

 

体循環は以下の赤色(⇒動脈・酸素多い)」と青色(⇒静脈・二酸化炭素多い)」とで示している部分を指す。

補足

 

身体における循環血流量は以下の通り。

 

  • 肺循環(100%)
  • 脳(15%)
  • 心臓環状血管(5%)
  • 肝臓(26%)
  • 腎臓(26%)
  • 骨格筋(17%)
ポイントは、肝臓・腎臓の循環血流量は多い。脳も割と多い。
 
 
「動脈・静脈」と「動脈血・静脈血」という用語は以下の通り。
十分整理しておかなければ混乱する。
 
動脈 心臓から出る血液を運ぶ血管
静脈
心臓へ血液を送り込む血管
動脈血 O2に富む鮮紅色の血液を指す。「体循環の動脈」と「肺静脈」は動脈血と呼ぶ。
静脈血 CO2に富む暗赤色の血液を指す。「体循環の静脈」と「肺動脈」は静脈血と呼ぶ。
 
※「動脈血」と聞くと、何となく「酸素に富む」とイメージしがちだが、小循環においては「(肺)静脈」が動脈血(酸素に富む)など逆になるので、混乱しないよう注意しよう。
 
上記を理解したうえで、改めてこの記事を観覧して理解を深めてほしい。
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